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Schlosshotel Oberstotzingen (Germany) | |
ウルムに近いドイツのオーバーシュトツィンゲン。詳しい地図はなかったのでどこでアウトバーンから出たらいいのか分からず,A7とA8号線を行ったり来たりした。夕方,のどかな田園風景が広がり,はるか彼方の丘の麓の家々からは煙がたなびいていた。畑作業から戻る農夫たちにこのホテルの場所をたずねてやっとたどり着いた。 私たちより少し前に日本人の若いカップルも到着していた。彼らは車からカバンなどを降ろしているところだった。新婚旅行かもしれないと感じた。こんな田園の中のホテルで日本人に会うなどとは予想もしていなかったので驚くとともに,彼らがどこから来たのか知りたくて,挨拶をした。しかし,彼らはちらりと私たちの方を一瞥しただけで,挨拶は返ってはこなかった。往々にして,海外で日本人に会って挨拶すると,無視されることがある。 通されたのは最上階の部屋だった。昔の「城」の内部は手入れが行き届いていて清潔で,バスルームは近代的な設備で整えられていた。ダイニングルームでのディナーは重厚な雰囲気で,主菜でいただいたヴィールがとくにおいしかった。Mはラビットの味に満足していた。モーゼルの白とボジョレーの赤もよかったが,料理やワインの味を引き立たせたのは,やや照明を落としたがっちりした造りのダイニングルームの雰囲気と黒服のウェイターのていねいなサービスのせいかもしれなかった。 日本人の若いカップルは私たちよりも早く食事をしていた。私は彼らと視線が合ったときに,軽く会釈をしたが,相変わらず何の反応もなかった。彼らは到着したときと全く同じ服装だった。2人ともジーンズにスニーカー,トレーナー姿。男の方は背もたれにもたれて,細かく貧乏揺すりをしていた。女の方は足を組んで食べていた。妙に印象に残る2人だった。 |
![]() 朝,白壁が美しい。 ![]() 廊下には古いシャンデリア。 |