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Hotel Infante de Sagres
いいホテルの快適さを知ったのは,ポルトのこのホテルだ。レンタカーの会社に電話をして、車を返したいから引き取りに来てほしいと頼んでいるのだが、さっぱり言葉が通じない。そこでコンシェルジェに頼んで伝えてもらうと,小さなレンタカー会社の係員がやって来て,おずおずとした態度だった。彼の態度からこのホテルの格式の高さが分かった。このホテルが五つ星ホテルだと気づいたのは、少し後になってからだった。

カーペットが敷き詰められた広い廊下と階段,赤々と燃える暖炉,ロビーに輝くシャンデリア、部屋の中の古い重厚な調度品,すべてが決して新興のホテルにはない歴史と伝統を感じさせる落ち着き払ったたたずまいだった。1泊だけの予定だったが、居心地が気に入って2泊することにした。夕食は街に出てポルトガル料理を食べたかったので、ホテルでは朝食しか食べなかったが、天井が高く重厚なインテリアのレストランではグラス類が多すぎるほどテーブルに並んでいて,どれも光り輝いていた。

出発の日、朝早い列車に乗るためにチェックアウトすると,ベルキャプテンはこちらの要望などたずねることもなく待機していたタクシーへ案内してくれた。タクシーは黒いメルセデス。駅までは500メートルぐらい。角を曲がればすぐ駅舎が見える距離だから,「歩いて行く」と言って断ったが,私の態度に驚いた様子でこのタクシーを使えといってきかない。いいホテルのゲストというものは短い距離でもタクシーを使うのが常識なのだろうかと疑問に思いながら、仕方なくそのタクシーに乗ることにした。ポルト駅には2分ぐらいで到着した。

この後、時にはいいホテルに泊まることが旅の楽しみに加わったのだった。

ホテルのカード

   
このホテルのルームキーはずっしりと重かった。

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