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Pousada de Santa Maria do Bouro (Amares-Geres, Portugal)
ポサーダは古城や修道院などを改装したポルトガルの国営ホテルで、ポルトガル全土に45軒ほどある。スペインのパラドールに似ているが、パラドールが半官半民で運営されているホテルであるのに対して、国営のホテルという点で違いがある。

このようなホテルは郊外の辺鄙なところにあることが多く、いつものことだが、何度も尋ねてやっとたどり着いた。このポサーダはもともとは女子修道院として12世紀に建てられたものをポルトガルの有名な建築家エドゥアルド・ソウト・デ・モウラがホテルに改装したもので、日本で言えば鎌倉時代の建築ということになり、その古さは半端ではない。しかし古いとは言っても、清潔だ。

正面に教会があり、ホテルはそれにつながった形で建っていた。石造りの建物内はがっしりして重々しい雰囲気で、幅の広い廊下が奥へと伸びている。部屋は廊下の幅広さに比べるとこぢんまりした大きさだ。修道士の部屋だったのだろう。石の壁には出窓のような窓が穿たれている。
Wi-Fiでインターネットに接続して画面を見つめながら、パソコンなどなかった時代の修道士はその窓から差し込む月明かりで本を読んだのかもしれないと思ったりした。900年という現代までの時の流れに感慨を覚えたのであった。

ディナーはホテルのレストランでいただいた。4種類のアミューズ、スライスしたタコ、リゾット風の鴨にヴィーニョ・ヴェルデ。ポルトガルのタコはとにかく美味しい。あるいは中世の修道士たちもこんな食事をしていたのかもしれないなどと思いを馳せながらいただいたのであった。中世に乾杯。

部屋に戻ると、モダンなホテルなどでは味わえない深い静寂に包まれているような感じがした。今夜は中世にタイムスリップした夢でも見たいなどと思いながら、深い眠りに落ちたのであった。
 
正面が教会、右側がホテル。
 
廊下が幅広い。
 
石造りのレストラン。かつての修道士たちの食堂。
 
テラスが気持ちがいい。

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