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なんといっても，部屋から眼下にチャオプラヤ川を見下ろすのがいい。この川はいつも茶色に濁っていてきれいな水とは言えないが，見飽きることがない。小さなボートから豪華なディナークルーズのボート，タグボートを先頭に何艘も連なってゆっくり航行するだるま船などさまざまな船が行き交い，その間を縫うようにしてホテルのボートが川を横切って行く。川に面してオリエンタルホテルやシャングリラホテルもあるが，ペニンシュラは超高層だから部屋からの眺望のよさでは比較にならない。
スイートの部屋はゆったりした広さで，SONYのTVやオーディオシステムが備わっており，天井からクリアなサウンドが降ってくる。夕暮れ時にジャズを聴きながらスコッチを片手にチャオプラヤ川を眺めていると，雑念などはすっかり消え去ってしまうのだ。
何度もこのホテルに泊まったら，自然に何人かのスタッフとは顔見知りになった。再会するとまるで友人のように言葉をかわすようになった。そのうちメールのやりとりまでするようになり，こうなるともう客とスタッフという関係ではなくなり，完全に友人の間柄だ。
日本にいると彼らから時々メールが届く。そこで，また，懐かしい顔を見たいと出かけていくことになる。このホテルの滞在日数はさらに増えることになるだろう。
チャオプラヤ川に面して聳える。