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Giardinetto (Cormons, Italy)
このホテルはフランスで言えばオーベルジュだ。イタリアで手に入れたリーフレット「ヨーロッパの若きシェフたち」に紹介されていたので,わざわざ行ってみようということになった。このときはイタリアからスロベニアに向かっていて,コルモンスはちょうど通り道に当たる。

やっと見つけたホテルは町はずれの住宅街にあった。小さな看板が出ているだけで全く目立たない。気がつかずに一度通り過ぎたほどだった。宿泊もできるレストランといった作りなので,部屋数は多くはないが,通された部屋はスイートで,広くて清潔だった。ヴェランダから見る町の風景は静かで,教会の鐘の音が遠くから聞こえてきた。

夕食はニョッキのアミューズグールから始まり,ホタテ貝のブルスケッタ,ミネストローネ,ウサギの肉の巻き揚げをいただいた。イタリア料理というよりもオーストリアの味が色濃く影響しているこの地方の料理で満足した。ワインはこの地方でしか採れないブドウで作ったものだそうで,フルボディの白といった感じの濃い香りと味だった。その後グラスでもらった赤も豊かな香りに満ちていた。

宿泊客は僕らだけだった。なぜこんな田舎にわざわざ来たのか,なぜこのレストランを知っているのか,なぜ宿泊もできることを知っているのか,彼らには疑問だらけの様子だった。帰り際にはわざわざシェフが駐車場までやってきて,花束のような形のお菓子をおみやげにとプレゼントしてくれた。温かい気持ちをもらったような思いだった。

木がふんだんに使われていて温もりがある。

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