contents トップページ ヨーロッパ速度無制限 貿易風に吹かれて アジアの優雅な日々 トラベルはトラブル 世界はうまい ホテルいろいろ やっぱりＮＹ 思い出に残る街 今日も大空へ 旅のアラカルト 旅のおみやげ	CuisinArt (Anguilla, GBR)
	いつもアングイラでは，Cap Julucaに滞在するのだが，この年はハリケーンで被害を被ったため営業していなかった。そこで新しくできたこのホテルに滞在した。Cap Julucaとは数キロしか離れていない。 モーリッシュスタイルのヴィラが立ち並ぶCap Julucaより少しカジュアルな感じだが，たたずまいもアコモデーションもほどんどCap Julucaと変わらない。若い女性はフレンドリーで，部屋へ案内してくれるときに，「この前まで，ホイットニー・ヒューストンが泊まっていたのよ」と気軽に話しかけてきた。カリブ海の人々はおおらかだ。 夕食時レストランへ出かけると，Cap Julucaでいつも親しくしているウェイターのRがいて，びっくりした。Mはいつものように彼と抱き合って再会を喜んでいたが，Rの巨体に抱きつくMは巨樹にとまった蝉のようだった。聞けば，Cap Julucaは営業していないので，	「出稼ぎ」にきているのだそうだ。 このRはいつも遠くから僕らの姿を見つけて手を振って迎えてくれ，いい席へ通してくれる。僕らの好みもよく覚えていて，「飲み物はフローズン・ストロベリー・ダイキリだったよね」と跪いて，巨体に似合わない人なつっこい笑顔を見せるのだった。おかげでCap Julucaにいるような気分で，一週間を過ごした。 ただし，問題なのは食事だ。週に一度は「バーベキュー・ナイツ」の日があるので，この日だけはバラエティに富んだバーベキューを楽しめるが，レストランのメニューは変わらないので，３日目ぐらいからは何を食べようかと悩むことになる。しかし，この不満もカリブ海の開放的な自然の中では雲散霧消していくのだった。
	海はプールの延長線上にある。