contents

トップページ
ヨーロッパ速度無制限
貿易風に吹かれて
アジアの優雅な日々
トラベルはトラブル
世界はうまい
ホテルいろいろ
やっぱりNY
思い出に残る街
今日も大空へ
旅のアラカルト
旅のおみやげ

Hotel Beke Radisson Budapest (Budapest, Hungary)
初めての都市に夜遅く着くのは,何かと不安がある。ホテルを予約しないで成り行きまかせの旅の時は特にそうだ。とにかく,まずホテルを確保しなければ,と気が焦る。

列車でブダペスト西駅に着いた時は夜10時になっていた。夜遅いときに裏道にはいるのは不安なので,大通りを歩いてホテルを探した。大きなホテルが見つかったが,満室だった。しかたなく通り過ぎてきたホテルに戻った。4泊してこの街で新年を迎え,1月1日に出発したかった。レセプションの係員は難しそうな顔をした。無理に頼むと2泊ならなんとかと言うので,そうすることにした。

大通りから見ると,石造りの街の建物の中にとけ込んでいて,エントランスはそれほど目立たないホテルだった。しかし,ホテル内はモダンなインテリアで,ボーイたちの制服も部屋も白とブラウンのストライプの見事なデザインで統一されていた。夕食は外のレストランでハンガリー料理を楽しんだので,ホテルでは朝食しか食べなかったが,ゴージャスだった。朝食の豪華さでこのホテルに勝るところはないと今でも思う。

不思議なのはレセプションに寄るたびに,係員が私に向かって,延泊することはなく30日には間違いなくチェックアウトしてくれるかどうかを心配そうにたずねることだった。後で分かったのだが,12月30日からは「シルベスタ」というこの街の盛大な年末の祭りの行事があるので,予約でいっぱいだったらしい。これも後で知ったのだが,このホテルはマルチェロ・マストロヤンニの定宿だったそうで,予約もなんの前知識もなく飛び込んだ私たちのわがままを聞いてくれたこのホテルのホスピタリティに今も頭が下がる思いだ。

約束通り,私たちは12月30日にチェックアウトし,ブダペスト東駅から出発してハンガリーを後にした。駅周辺はシルベスタの祭りを祝う人々でにぎわい始めていて,「ブー,ブー」と子どもたちの紙の笛の音がこだましていた。

(注)Bekeの最初のeにはアクサンの記号がつく。現在はRadisson SAS Beke Hotel Budapestと名称が変わっている。


宿泊カードもストライプのデザイン

前ページ>