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ヴェネツィアへ
メストレから長い橋を渡ってヴェネツィアに向かう。初めて行ったときは列車だったが,二度目からは車になった。道路と並行して左側に線路が走っている。この線路を見ると,映画『旅情』の中で,キャサリン・ヘプバーンが8ミリカメラを片手にイタリアの初老の紳士と言葉を交わすシーンを必ず思い出す。

ヴェネツィアの島内には自動車道路はないので,車は駐車場においてあとはボートに乗るか歩くしかない。ボートに乗っても狭い路地を歩いても,あの映画のいろいろな場面を思い出す。映画が好きな私の知人などはキャサリン・ヘプバーンが運河に落ちたロケの場所にまでわざわざ足を運んだという。あの映画はアメリカからヴェネツィアへの観光客を増やすことにもなったそうで,この島とあの映画とは切り離すことができない。

どちらかといえば世界的に有名な観光地なのでいつもごった返しているし,レストランなども観光客相手の中途半端な味の店が多いので,私はそれほど好きではないのだが,Mは何度来ても飽きないと言う。ちょうどドイツのミッテンバルトやイタリアのピサと同じだ。

ゲーテはこの島を「水の中の夢」と呼んだそうだ。将来は完全に水没すると予測されているこの島は,本当に「夢」ということになって後世に伝えられるのだろう。世界遺産のこの島が水没する前に訪れることができたことを感謝しようとそのたびに思うのだ。

ヴェネツィアへ向かう。


いつもこの風景。

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