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イタリアへ向かってコートダジュールを走っていると,必ずMが行ってみようと言い出す。寄り道をしながらの旅は嫌いではないから,また,このサンポールへ着いた。

山の上に城砦のように固まっている街はヨーロッパのあちこちにあるが,ここは観光ポイントとしてもよく知られている。この時は3度目だった。

無料の駐車場に車を置いてだらだらと坂を上っていくと広場に出る。広場もそれに面しているカフェも前回訪れたときと全く変わらない。男たちがペタンクに興じている風景も,全く同じだ。ひょっとしたら前回と今回との間に時が過ぎ去ったことなどなかったのではないかとさえ思えてくる。

さらに坂を上っていくと,狭い道の両側には店が軒を並べている。Mは「この前はこの店で買った」と言いながら,また同じ店に入り,前回と同じプロバンスのハーブの石けんなどを買い求めていた。前回の旅と何ら変わらない。あるいは,タイムスリップして今は前回の旅の中にいるのかもしれないし,私自身も過去の私に戻っているのではないかと錯覚してしまったりして,不思議な感覚を覚えたのだった。

St. Paul。鷹巣城と私は勝手に呼んでいる。


いつもこのペタンクの風景。

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