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ラウンドアバウトは縄跳び
ヨーロッパの道路は市街地でもラウンドアバウトが多い。交差点には信号機がなく,円形の道路になっていて,いったんその円形の道路に進入して周回しながら目的の道路に出て行く。ラウンドアバウトの中にいる車の進行を妨げなければ,すっと入ってすっと出ていく感じでとても気持ちがいい。このラウンドアバウトに進入する感覚は,ちょうど大勢で縄跳びをしているときに集団の中にすっと入って,すっと出ていくのにとてもよく似ている。

日本の道路だと交差点には信号があって,車が1台も通らないのに信号が青に変わるまで待たされることがよくあるが,このような無駄なことがないので,私は好きだ。ただし,パリの凱旋門のように広がりのあるラウンドアバウトでは,周回している車が何列にもなるので入るのも出るのもタイミングが難しい。中心に近い所を走っていてなかなか出られず,何度も周回してしまうことになったりする。

イタリアのパドバ付近でのことだ。ヴェネツィアからキオッジャへ向かう途中ラウンドアバウトにさしかかった。キオッジャはヴェネツィアの湾の対岸にある港町
だが,道路標識には出てこないのでラベンナの方角に向かって走っていてこのラウンドアバウトにさしかかった。ところが,このラウンドアバウトでぱったりとラベンナの案内表示がなくなった。

前後左右に気をつけながらランドアバウトの中を周回するが,どの道路へ出たらいいのかわからない。パドバの方向へ出ようとすると,助手席でナビゲートしているMが「違う!」と叫ぶ。「ではどれだ」と言っても答えが返ってこない。結局7回ぐらいぐるぐると周回して,仕方なくとりあえずパドバ方向へ出て,地図を見直し,再トライしたのだった。

イタリアの道路ではこんな経験がほかにもある。これまで出ていた都市名の方向案内の表示があるところで忽然と消えてしまい,途方に暮れるのだ。そのたび「イタリア人は何を考えているのかわからない」と結論づけるしかない。

だから旅は楽しい。ヨーロッパを走り回るのは楽しい。
             

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