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ラ・ロトンダ(La Rotonda)
「あっ、ロトンダだ!」と助手席で車窓の景色を眺めていたMが声を上げた。

北イタリア。朝、ヴィチェンツァをを出発して、SP247を南へ10分ぐらい走った道路の右側に、神殿のような建物が見えた。この建物の姿を写真で見て知っていたMは、この建物がヴィチェンツァ郊外にあることは知っていたが、具体的にその場所は知らなかったようで、突然それが姿を現したことにすっかり驚いた様子だった。

この建物は、現在は「ラ・ロトンダ」と呼ばれるが、それ以外にも「ヴィラ・アルメリコ・カプラ」「ヴィラ・カプラ」「ヴィラ・ロトンダ」「ヴィラ・ラ・ロトンダ」「ヴィラ・アルメリコ」などとも呼ばれてきたと言われる。
この建物は16世紀にアンドレーア・パッラーディオが設計したルネサンス期のヴィラで、パッラーディオの傑作のひとつとされている。そして、この建物やヴィチェンツァとその周辺のパッラーディオの作品は「ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオ様式の邸宅群」として世界遺産に登録されている。

毎週土曜日だけ公開されるということだが、この日は金曜日で内部を見学することはできなかった。しかし、この建物を見ることを端から諦めていたMにとっては思いがけない出会いだったに違いない。行こうと思ってさんざん苦労してたどり着いたところもある一方で、見たいと思っていたものがこのように突然立ち現れることもあるという体験をしたのだった。こんなこともあるんだなあ。



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