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ほとんど車に出合うことのない夜の田舎の一本道。泊まるところもまだ決まってないので,少し焦りの気分も手伝って100kmを超えるスピードで走る。センターラインはなく,道幅も十分に広いとはいえない。やがて,はるか彼方に1台の対向車のライトが見えてきた。

右側通行なのだから対向車は私の左を走り抜けていくはずなのだが,こんな時にはなぜか日本のように右側を通り過ぎるのではないかという錯覚にとらわれることがある。頭の中では,右側を走っているのだから大丈夫と理解していても,一瞬ひるむ。このスピードで正面衝突したら・・・と考えると怖い。

思わず,無事にすれ違ってくれますようにと祈るような気持ちでハンドルを握る手に力が入るのだ。右側通行にはすぐ慣れるとはいっても,体にしみこんだ左側通行の原則の感覚がこんな時には頭をもたげてきたりするのでやっかいだ。

対向車も100kmぐらいのスピードで,あっという間に左側をすれ違って行った。まだ,街の灯は遠い。

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