旅の記憶 記憶の旅

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最高級難度の車庫入れ
イタリアのホテルには、ほとんどガレージが備わっている。車の盗難などは日常茶飯事のことだということがわかる。高級ホテルだと比較的ゆったりしているから何の問題もないのだが、中クラスのホテルだと窮屈なガレージもあり、時には車庫入れに苦労することもある。

キアヴァリのホテル「トリノ」のガレージでは苦戦した。地下へスロープを降りてガレージの扉を開けたとき、これは無理かもしれないと直感的に思った。このときの車は2000ccのアルファロメオだった。しかし、同じぐらいの大きさの車が中に入っているから、なんとか入れるのかもしれない。とても前進では入れそうもないので、バックで入ることにした。しかし、なにしろ通路が狭い。Mに外に出てもらい、前後左右の空き具合を両手で表現してもらい、数センチずつ前に後ろにずらしながら少しずつ向きを変え、やっと中に入ったときにはくたくたになっていた。途中、ホテルの従業員を呼んで、なんとかしてほしいと頼みたくなったほどだ。

私は狭い車庫入れや細いクランクなどは苦にならず、むしろ自慢したいほど自信があるのだが、このときほど苦労したことはない。最高級難度の車庫入れだった。イタリア人たちはおおざっぱに見えても、意外に細かいテクニックに長けているのかもしれないと脱帽する思いだった。二度とこのガレージには行きたくない。

最初からバックで進入すれば少しは楽だったかもしれない。

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