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恐怖のアウトバーン
フランクフルトに到着し、空港からレンタカーで出発した時は夜の9時を過ぎていた。予定では、フランクフルトのザクセンハウゼン地区でホテルを見つけ、名物のアップフェルワインを飲むのがこの日の目標で楽しみだった。

しかし、空港の駐車場から外へ出ると激しい雨で、おまけにワイパーを動かしても油膜がひどく視界がはっきりしない。市街中心部へ向かう標識に従っていけば、何とかたどり着くだろうという考えは甘かった。気がついたらアウトバーンに入っていて、しかも市街に向かう方向ではなくカールスルーエの方を向いて走っていることが分かった。

アウトバーンを走るほかの車の速度は速い。夜の激しい雨と油膜で前はほとんど見えない。ときどき路肩に入り込んで走っていたりしていることに気づき、呆然とするよりも態勢を立て直して走行車線に戻るのに必死の思いだった。これでは事故を起こすかもしれないと、恐怖心が起きた。

とにかく怖い。このような怖さはこれまで味わったことはない。とりあえず、次の出口で出よう。どこでもいいから見つかったホテルで泊まることにしようと決めた。10kmぐらい走ったように思う。最初に見つかった出口でアウトバーンを下りて一般道を走ってホテルの灯を見つけたときは、心底から救われたという思いがした。ぜいたくを言ってはいられない。ホテルのレストランはすでに閉まっていたが、バーでピ

とにかく何も見えない。



ザとビールをもらってとりあえず無事でいられたことに乾杯するしかなかった。

翌朝、ホテルの窓からは空港から飛び立っていく飛行機が間近に見えた。かなり走ったという感じだったが、まだ空港のそばにいたのだった。

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