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若い女性に道案内をしてもらう | |
イタリアの北部を走り回っていた。せっかくここまで来ているのだから,足を延ばしてスイスの巨大なアウトレットに行ってみようということになった。国境での検問はなく,すんなりスイスへ入国して目的地に近いキアッソという街に着いた。MがWebで調べてきた情報では,ここからアウトレットのフォックス・タウンまではすぐだ。 フォックスタウンには簡単にたどり着けると思っていた。しかし,この情報というものが全く当てにならなかった。ツアーの団体旅行のバスで行ったと思われる女性の記録で,「まっすぐ行って右に曲がり,しばらく行くとフォックスタウンに着く」というような内容だった。しかし,どこへ向かって「まっすぐ行く」のか,どこで「右に曲がる」のか全く分からない。何度もトライしてみたが標識も何もなく,途方に暮れた。Webはゴミのような情報であふれていると言うしかなかった。 バス停に2人の女性がいた。おばさんと若い女性で,2人は他人同士のようだった。道をたずねると,どう説明したらいいのか迷ったあと,おばさんが「あなた,そこへ行くんでしょ。だったら一緒に車に乗って案内してあげたら?」という提案をして,若い女性が仕方がないといった感じで後部座席に乗り込んだ。 彼女は率先して案内してくれるわけではなく,交差点にさしかかるたびに,「まっすぐ?」とか,「右?」 |
![]() イタリアのコモからスイスへ入国する。 と後ろを向いて聞くと,彼女はかすかにうなずくだけだった。キアッソの町から7〜8kmは走っただろうか,彼女のおかげでなんとかたどり着くことができ,本当に助かったのだが,一方で彼女に悪いことをしたという思いを今でも拭い払うことができない。 彼女は本当にフォックスタウンに行くところだったのだろうか。車の中では,いろいろ不安だったのではないだろうか。それとも単に内気な性格だったのだろうか。 |