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鹿の道
ドイツのフライブルクからフランスに入り,この日はブザンソンからペルージュへ向かっていた。手持ちのミシュランのフランス全図は1997年版なのでかなり古い。この地図ではドールからブレスあたりまで高速道路が建設中となっている。完成しているとしたらこの道路のほうが便利だ。

高速のA36号線を走ってドールが近づくと,このA39 という新しい高速道路ができていることが分かったので,この道路に入った。まだ新しい道らしく,赤いレンガ色の美しい舗装道路が南へと延びている。

この高速道路を走っていると,道路の上を横断する橋のようなものを何度もくぐり抜けた。はじめは気にしなかったが,その横断路の脇には鹿の絵の看板が立っていた。不思議なことにその横断路には木製の柵のようなものがあり,丈の低い灌木が植えられているようだった。どう考えても車が通る橋には思えない。何だろう。

このような横断路を何本かくぐり抜けた後,これは「鹿の道」だと気づいた。森を切り開いて道路を造る際に,自然環境を保護し,生態系へ配慮した設備だと,分かった。

北海道や長野県あたりにはあるのかもしれないが,私はまだ日本ではこのようなものを見たことがない。フランスの環境に対する態度が一旅行者の目にも伝わってきた。

鹿の道をくぐる。


高速で走る車の中からMが撮影したので,手ぶれの写真となった。

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