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世界第一級の風景(2)──チンクエテッレ | |
僕らのヨーロッパの旅は、有名観光地や世界遺産の場所をめぐったりすることはあまりしない。しかし、ここだけは行ってみたいというところがあり、この時のイタリアの旅ではこのチンクエテッレだった。 チンクエテッレとはイタリア語で「5つの土地」という意味で、リグーリア海に面して断崖が続く海岸に5つの小さな街が点在している。それらの街は断崖の中のトンネルを走る鉄道と断崖の中腹に刻まれた歩道で結ばれているだけで、車で行くにはそれぞれの村から山の上の道路にいったん戻らなければならない。 僕らはいちばん南東端のリオマッジョーレに車を置いて、断崖の中の小道を歩いた。車を置いてあるのでまた戻らなければならず、北西端のモンテロッソ・アル・マーレまではかなりの距離があるので、隣りのマナローラまで行って戻った。崖の下には紺碧の海が広がり、イタリアではかつて行ったドロミティに劣らない「世界第一級」の風景が展開した。この区間は「愛の小道」とも呼ばれており、特に人気がある区間だそうだ。ところどころの手すりや落石防止の金網にはおびただしい鍵がぶら下がっていて、いかにも「アモーレ」の国イタリアにふさわしいと感じたのだった。 車がなければ、端から端まで全部歩き通すことができただろう。車なしでもう一度訪れてもいいと思う。 |
![]() 断崖の中腹に小道が続く。 |