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国境を越えるA
EU内では人や物の移動は自由で何の制限もないから、国境を越える際に特別に国境を意識したりすることはなくなった。ちょうど日本国内で県境などを越えるときの感覚と似ている。ただし、これはEU内だけのことであって、EUに加盟していない国からEU圏に入ったり出たりする場合には検査があるようだ。

ヨーロッパを車で旅行する際には、これまで、あちこちで何度も国境を越えた。

スペイン・ポルトガルのこの旅行ではマドリードを出発し、サラマンカから西へ向かい、国境近くにあるホテルに宿泊したあと、ポルトガルへは田舎の道を走って入国した。国境の標識などはどこにもなく、気がついたときには集落の家々の屋根がオレンジ色に変わっていた。道路標識などが違っていて、ああポルトガルに入ったのだなと気づいたのだった。
その後、ポルトガルからスペインへ戻るときは、高速道路を走ってスペインに入国した。国境の場所にはかつての国境の管理のための施設が撤去されずに残っていたが、車は自由に通過していた。そこからはエスパーニャであることを示す標識が立っているだけだった。

かつてアンドラ公国から山道を走って峠を超えてスペインへ入り、平地に下りたときには2人の警官が「オラー」と言って僕らの車を止め、トランクから車の底まで入念に調べられたことがあったし、EUに加盟する前のスロヴェニアからイタリアに入国するときも、徹底的に車を調べられたことがあった。こんなことは遠い昔の出来事になった。

すんなり国境を越えて走りながら、こんな昔のことを懐かしく思い出したのであった。

ここからエスパーニャ。

かつての国境の施設。現在は使われていない。

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