contents

トップページ
ヨーロッパ速度無制限
貿易風に吹かれて
アジアの優雅な日々
トラベルはトラブル
世界はうまい
ホテルいろいろ
やっぱりNY
思い出に残る街
今日も大空へ
旅のアラカルト
旅のおみやげ


豪華なアミューズグール
北イタリア、ヴェローナのホテル、ヴィラ・デル・クワールに宿泊したときだった。予約した夕食の時間にダイニングルームヘおりていくと,私たちのほかには誰も客はいなかった。ホテル内はひっそりとしていて、どうやらこの日の宿泊客は僕らだけのようだった。

メートルドテールのほかに黒服のウェイターがもうひとりいて,入れ替わり立ち替わり二人がサービスしてくれる。おすすめのローカルワインを頼むと,出てきたのはソアベだった。ふだん日本で飲むソアベとは違い,ノーブルな香りと味で,ソアベにはピンからキリまであることが分かった。

まず,アミューズグールが運ばれてきて,その豪華さに驚いた。普通、アミューズグールといえば、日本の突きだしのようにちょっとだけサービスとして出してくれるものだと思うのだが、「これでもアミューズグール?」とびっくりするような豪華さだった。ふだん料理の写真を撮ったりはしないのだが,誰も客はいなかったし,あまりの豪華さについこっそり撮影してしまった。次いでグリルした大海老,最後にピジョンをいただいたが,どれも満足のいく味だった。フランス料理とは違ってイタリア料理は体に優しい感じがして口に合う。

結局,この夜ダイニングルームで食事をしたのは僕らだけで,ほかには誰もやって来なかった。黒服の2人も厨房のシェフたちも、この夜は僕らのためだけに働いていたことになる。まるでレストランを借り切って食事をしたような気がしたのだった。

その豪華さに思わず、「おお!」と声を出してしまった。

前ページへ>