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ミシュランの3つ星レストラン | |
そのレストランは,ミラノのマルペンサ空港から車で約1時間ほどの田舎にある。イタリアでは数少ないミシュランの3つ星レストランのひとつで,ここ数年3つ星を維持しつづけている。シェフはこのレストランのマダムだ。彼女の夫がメートルドテール,娘さんがソムリエ,そして数人のウェイターで切り盛りしている。 ミシュランの評価はザガットに比べるとはるかにレベルが高く,裏切られたことはない。このごろは食の楽しみも旅の楽しみの大きな要素のひとつになってきて,ヨーロッパを旅している時は必ず1回はミシュランの星のあるレストランに行くようになった。 イタリアでの夕食は8時ぐらいから始めるのが普通だ。これより早い時間だと,まだほとんど客はいない。このレストランは3つ星なので,ミシュランの評価では「わざわざ訪れる価値のあるレストラン」ということになっている。そこで,いつもわざわざ出かけていく。 この日は食前酒にスプマンテをもらい,アミューズグールは魚のすり身のパテのようなものから始まった。セットになっているメニューは2コースあり,僕たちは「花が2つ」のメニューにした。まず,フレッシュフォアグラのソテーに甘く煮たリンゴの付け合わせ,次いでスカンピとリゾット,パスタはマッシュルームとチーズの味がする花びらのような形をしたもの,そしてメインディッシュはピジョン。ワインはメートルドテールに任せた。最初のフォアグラにはドロリとするような甘い白ワインがでた。フォアグラには重い赤ではないかと気になったが,この白は料理によく合った。次はバルバレスコ1989年のBRUNO CIACOISAで,No.3983と刻印があった。娘さんがていねいにデキャンタリングしてくれて,グラスを口に近づけると豊かなバラの香りに満ちていた。 |
![]() ミシュランの3つ星レストランにしてはあまり飾りっ気のない玄関だ。 このレストランは小さなホテルもかねており,スイスやフランスからわざわざ来る客が多いそうで,みんな泊まりがけで食事を楽しんでいる。時間がゆったり流れ,料理と料理の間には適当な時間がある。最後にチーズとソルベ,エスプレッソをいただいて食事が終わったときは11時半になっていた。3時間半の豪華な夕食であった。 この日のようにきちんとスーツを着て3つ星レストランでいただく食事のおいしさは,僕の表現力を遙かに超えていてうまく言い表せない。 |