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路地の奥の大衆食堂
この店はバンコクの中心街の表通りからかなり奥まったところにあり、大衆食堂というイメージよりさらに荒れた感じで店構えは雑然としている。タイでは別に珍しくはないが窓もドアもない。見るからに地元の人しか来ないようなたたずまいだ。かねてからこの店で食べたいと思っていたのだが、前回初めて行ったときは閉まっていた。日曜日だった。おまけに暗くて狭い路地にはゴキブリが這っていた。

この店はタイ北部の料理を出す店で、MがひそかにWebで見つけてきた。前回のゴキブリのことが頭にあってMはかなりビビっていた。しかし、食い意地のほうがゴキブリの怖さに勝った。今回は水曜日に出かけたところ店は開いていた。店に入ると前回外から見て記憶にあったイメージほど汚い感じはしなかった。

壁にはタイ語のメニュー。当然のことながら全く分からない。タイ語と英語が併記してあるメニューをもらってやっと料理の見当がついた。Mが仕入れた知識だとなんといってもこの店の定番とも言えるのはローストチキン(メニューではグリルドチキン)だ。そこでこの
チキンとパパイヤのサラダ、ポークと野菜を炒めたもの、そしてシンハビールをもらった。チキンは僕の大好物で、フランスのブレスのチキンが最高だと思っていたが、それに劣らないおいしさだった。

食べ始めるととなりの若いサラリーマン風の男たちのテーブルにたぶんビーフと思われる美味しそうな料理が運ばれてきた。すかさずMは「それ、なんという料理?」と男たちに英語で尋ねた。一人の男が「*・**:〜@」とタイ語で答え、すぐさま店の人に注文してくれた。やがて出てきたのはグリルドビーフで、ビールによく合う美味しさだった。

大満足の味であった。「高いけど、うまい」とか「うまいけど、高い」とは言うが、「安いけど、うまい」とか「うまいけど、安い」とは言わない。この場合は「安くて、うまい」となるのだろうとシンハビールに酔った頭で考えながら、ホテルへ帰ったのだった。

また、絶対に行くぞ。

料理を写真に撮るのは僕には恥ずかしくてできない。そこでひそかに壁のメニューだけ撮影した。

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