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道ばたの小さな食堂
車で動き回っていると、昼の食事がなかなか思うようにならないことが多い。高速道路を走っている場合はサービスエリアに入れば、しっかりした食事も軽い食事も問題はないのだが、一般道路を走っている場合はいい時間にふさわしいレストランに出合うことは少ない。そこで仕方なく、マクドナルドに入ったりすることもある。

この日はキャンティ村を出てピサに向かっていた。午後1時を過ぎていた。適当なレストランを探しながらカステルフィオレンティーノという町を通過しようとしていると、道ばたになにか食べられそうな小さな店があった。レストランとはイメージがかなり異なるが、まあいいだろう。おまけに店の周辺には車をどこに駐車してもいいような空間がある。

店は小さく、店内にはテーブルが1つ、外に3つあるだけ。カウンターの中でおばさんが一人で料理を作っている。軽めの食事にしようとメニューを見てチー
ズバーガーとビールを頼んだ。やがて出てきたのは想像したよりかなり大きい熱々のチーズバーガーで、マクドナルドなどよりハンバーグもチーズもパンもとても美味しく、意外なところで意外な美味しさにめぐり合った喜びを味わった。

4月末の風はまだ冷たかったが、陽光が降り注いでいて、アウトドアのテーブルでの食事はまるでピクニックのような気分も味わわせてくれた。イタリアのビールがうまいと感じたことはあまりないが、この時だけは思わず「うまい!」と叫んだほどだった。ビールの味の良し悪しは、気分にも左右されるのだということに気づいた。

あちこちの旅の昼食の中で、この日のチーズバーガーは簡便ではあっても記憶に残る美味しいランチとなったのだった。

おばさん、とても美味しかったよ。

看板は大きいが、店はとても小さい。

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