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5月のヨーロッパはなんといってもホワイトアスパラガスの季節だ。この時はフランスのオベルネからコルマールに向かっていて,カイゼルスブルク(フランス語の読み方だとケイセルブールかな?)という街で昼食の時間になった。

少しがさつな感じがしたレストランだが,表に出ている黒板には手書きのメニューが書いてあり,その中にアスペルジュがあったので,入ることにした。テーブルに座り,メニューをもらうとアスペルジュの箇所は次のように書いてあった。

アスペルジュ
ジャンボン×2
ソース×2

この「×2」というのはどういう意味かよく分からなかった。Mは2人前ということではないかと言う。そこで「私たちはこのアスペルジュをいただきたい」と曖昧に注文し,出てきた皿を見て納得した。メニューにあったのは1人前で,9本のアスパラガス,付け合わせのジャンボンが2種類,ソースが2種類,Mと私のそれぞれに出てきた。ソースといってもマヨネーズとビネガーという単純なものだった。

ドイツやイタリアとはやや違うフランス流の食べ方だったが,アスペルジュは期待したとおり季節感がたっぷりの味わいだった。よく冷えたアルザスの白がおいしく,幸せな気分で満たされた。

あちこちでホワイトアスパラガスを食べることが旅の目的のようになってしまっていて,私はこの季節には「アスパラ病」という病気にかかっているのかもしれない。

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