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いつの頃からがバンコクに何度も出かけるようになった。いつもチャオプラヤ川のほとりに建つホテルに滞在することが多い。オリエンタルだったり、ペニンシュラだったり、ヒルトンだったりする。

市街地のフォーシーズンズやスコタイも嫌いではないのだが、なんといってもバンコクの場合はチャオプラヤ川が見えるところというのが、ホテルを選ぶ際にもっとも優先される基準となる。なぜだろうか。

何度も繰り返した旅の後、最近になってやっとその訳が分かってきたような気がする。これまでは単に景色がいいからとか、風景に開放感があるからとか、バンコクらしい風景だからなどとしか理由らしい理由は見あたらなかったのだが、よく考えてみると私の場合はホテルの部屋でチャオプラヤ川を見下ろしている時間がいつもすごく長いということに思い当たった。

こちら側と対岸とをひっきりなしに行き来するフェリーにはいつも大勢の人が乗っている。だるま船を何艘もつないでゆっくり川を遡上して行くのもある。日が落ちると豪華なイルミネーションで飾ったディナークルーズが通っていく。ゲストを乗せてあちこちのホテルのボートが右に左に行き交う。笹の葉のような形のボートが高速で行き交う。そしてこれらのボートが描く川の模様は早朝から深夜まで刻々と変わる。その風景はいつまで見ていても飽きないのだ。

この川の模様の変化は、バンコクの人々が織りなす暮らしの模様の変化にほかならないのだろう。

ボートが前後左右に行き交い、川の模様は刻々変わる。

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