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バンコクに滞在するときは必ず1回オリエンタルホテルの「ル・ノルマンディー」に出かけてディナーをいただくのが習慣になった。マネージャ−やメートルドテル、ウェイターたちとはすっかり顔なじみになった。この夜も、「ウェルカムバック、ミセス・ムラヤマ、ミスター・ムラヤマ」と迎えられて、リバーサイドのとてもいい席に通してくれた。

ディナーはいつもフルコースのメニュー「デギュスタシオン」をいただく。この夜はフレッシュフォアグラとラムがおいしかった。最後の方のデザートでは、黒服のS氏がにこにこしながら「スペシャル・デザートを作りました」と持ってきた。

僕の皿にはなぜかシガーをくゆらせている似顔絵と「MURAYAMA」という文字がチョコレートで描かれていた。Mの皿には2頭の象が描いてあり、「この象がミスター・ムラヤマ、こちらがミセス・ムラヤマ」と説明してくれるのだった。驚くとともに、はしたないとは思ったが「写真を撮ってもいいか」とたずねると、「どうぞ、どうぞ」とむしろ「作品」の写真撮影を歓迎している様子だった。このような「スペシャル」は初めてだった。

これまではペニンシュラやフォーシーズンズ、メトロポリタンなどから出かけることが多かったのだが、この夜はオリエンタルホテルに滞在していたので、部屋からダイレクトに行った。それが彼らに好印象を与えてこのような大サービスになったのかもしれない。かつて「どうしてオリエンタルに泊まらないの?」とメートルドテルのB氏から聞かれたとき、「同じスイートでも、ペニンシュラのほうが広いから」と応えたら、彼は言葉に詰まったことがあったことを思い出した。

アジアの旅はいつも満足度が高い。

僕の皿。ホワイトチョコレートとクランベリーソース。


Mの皿。

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