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列車の旅(2) |
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この時は、アムステルダムから夜行列車でコペンハーゲンへ向かっていた。途中ドイツを通過する。 コンパートメントで同室になったのはアメリカとオーストラリアからの陽気な青年たちだった。ファーストクラスのコンパートメントは座席を前に引っ張り出すと部屋全体がフラットなベッドのような状態になった。まるでお座敷列車のような感じだった。お互い自己紹介をして、コニャックを飲んだり、他愛もないおしゃべりをしたりしていると、列車はドイツ領内へと入った。ドイツのイミグレーションと税関の係員がやって来た。シェパードを従えている。 彼らは欧米の2人にはフリーパスのような態度で臨んだ後、僕らのチェックを始めた。パスポートのナンバーなどをメモし、ぼくたちに旅行カバンやショルダーバッグを開けさせて隅々まで調べた。椅子の下ものぞいて調べる入念さで、しばし僕ら4人は固まった。なにしろシェパードがいるし、自動小銃も携えている。 結局、彼らの疑いは無用だったようで、無事僕らの取り調べは終わった。このような厳しいチェックは、たぶん、日本の連合赤軍の連中が世界のあちこちで事件を起こしていたからだろう。 彼らが去った後、欧米の2人は親指を下に向けて突き出し、僕らを援護するかのように激しく彼らをののしったのだった。そしてみんなでビールで乾杯し、不愉快な思いを拭い去ったのだった。 列車の旅は、同室の客との連帯感も味わったりした。 |
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