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外国で道を訪ねた回数は数え切れない。特にヨーロッパを車で走り回る場合は数多い。

この時は、リスボンに到着して2日目。グランドラへ向かっていた。ここにはぜひ泊まりたいいいホテルがある。グーグル・マップを印刷した大まかな地図しか持っていなかったが、目的地に近いと思われる町に着いた。が、街の中には標識などはなく、五差路にさしかかった際、どの道を行けばいいのかわからなくなった。街角のカフェでおじいさんたちが5人ほどたむろしていた。ヨーロッパではよく見る光景だ。いつも同じ顔ぶれが集まって時間を潰しているような感じだ。

そこで、おじいさんたちに道をたずねた。ホテル名と住所、略地図を見せたのだが、返答は要領を得ない。みんないろいろ話してくれるのだが、ポルトガル語は全く分からない。地図を描いてほしいと頼んだが、それに対する返答も要領を得ない。いろいろたずねても、果たしてこの人たちはそのホテルを知っているのかどうかさえ、怪しくなってきた。

埒が明かないので困っていると、店の中から一人の青年が出てきた。彼は即座にこの場の僕の問題
を理解してくれて、地図を描いて道順を示してくれた。どこでもそうなのだが、お年寄りはどうも地図を書くのが苦手のようだ。彼の描いてくれた地図が下の図だ。@の現在地からホテルのあるGはまっすぐ一直線上にあり、近くに来ていることがわかった。しかし、驚いたのはその後の彼の説明だった。直進して道路を横断してホテルに行くことができれば簡単なのだが、そうはいかないらしい。行ってみて後でわかったのだが、横断すべき道路には中央分離帯があって越えられないのだった。そこで、いったん広い道路に出て、その後ラウンドアバウトを通って、その広い道に逆方向から戻り、ホテルへの道へと出なければならなかったのだった。

この青年が描いてくれたこの道順の地図がなかったら、絶対にホテルたどり着けなかっただろう。ありがとう、ポルトガルのX君。

こうして困り果てたあげくにやっとホテルに着いたのだった。だが、喉元過ぎれば熱さを忘れる。最近は、行けない場所などは絶対にないと思うようになった。このように必ず誰かが助けてくれる。


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