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初めての海外旅行
初めて海外旅行に出かけたのは、もうずいぶん前のことになる。このときのエアラインははアエロフロートだった。飛行機に乗ったのはこのときが生まれて初めての経験だった。このフライトは、機体がひどく揺れたり、エアポケットで何度も急降下したりした。こんなに恐ろしい乗り物だとは想像もしていなかったので、手のひらにびっしょり汗をかいた。到着したフランクフルトのホテルでの第1日目の夜は、浅い眠りの中で何度も繰り返してエアポケットに落ち込む感覚にとらわれた。

このときは、何もかも生まれて初めてのことばかりだった。機内でスチュワーデスに「ワン、ビア、プリーズ」と頼んだのが、外国人と英語で話した初めての出来事だった。税関で係員の質問に応答したり、タクシーに乗ったり、ホテルでチェックインをしたり、通りで道をたずねたり、レストランで注文したり、とにかくなにもかも初めてのことだった。英会話の練習や準備などは何もせずに出かけたので、旅のはじめのころは、頭の中はまったくパニック状態だった。これまでの日本国内の旅行はなんと気楽で楽しかったことかと、早く日本に帰りたいと思ったりもした。

とにかく、このときの初めての海外旅行は強烈な体験となって記憶に残った。いまでも途中の出来事などが

ドイツのレストランで。言葉が通じないので、隣の客が絵を描いてメニューを説明してくれた。



抜け落ちることなく、この旅の行程はすべてを連続して思い起こすことができる。この後、何度も海外に出かけることになったのは、つらい思いもしたとはいえ、外国を目の当たりにしてこのときに経験した世界の広さや多様さなどに関する驚きやおもしろさ、発見、理解などが、それまでの日本国内旅行で経験したものとは桁違いに大きかったからだろう。

さらに、この旅は私に英会話を練習しようという気を起こさせてくれた点で、意義のあるものだった。しかし、なかなか上達はしない。

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