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新年はいつか?
ある年の12月31日のことだった。UA881便は18時10分頃に成田を離陸した。海南島の付近を通過するころだと思うが,時計を見ると0:00になろうとしていた。私の時計は日本時間のままだったので,日本では新年を迎える時刻だと分かった。除夜の鐘が鳴り,初詣に行く人々が神社に向かっているのだろうと,その風景を想像した。

機長から「Happy New Year!」とか何かアナウンスがあるかもしれないと思っていたが,何もなかった。機はそのまま飛び続け,ベトナム上空を横切って日本時間の1:20ごろ(タイ時間では23:20ごろ)にバンコクのドン・ムアン空港に着陸した。

空港にはペニンシュラホテルのメルセデスが迎えに来ていた。その車に乗ってもうすぐホテルという,ちょうどチャオプラヤ川の橋の上で0:00になり,川で新年を祝う花火が上がった。運転手は私たちに断って橋の上で一時停車し,私たちは一緒に花火を眺めた。

この日は飛行機の中で新年を迎え,チャオプラヤ川の上でまた新年を迎えることになった。不思議な体験だった。

機長やクルーたちはいつ新年を迎えたことになるのだろうと,いまでも不思議で仕方がない。管制区域の時間に従うのだとしたら,いったい彼らはこの日は何度新年を迎えていることになるのだろう。

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