神々の山へ初詣<カトマンズ編>
「ogawa、冬休みネパール行かへん?」と長年の悪友Aことamanoから電話がかかってきたのは、10月の末だった。
「かまへんけど、登山でもするのか?」
「ちゃうちゃう、トレッキングや。」
「でも、この時期ディスカウント・チケットなんて取れへんやろ?」
「まぁツアー使うしかないやろ、後輩がT旅行代理店におるから彼に手配まかせるわ」
「それじゃ、まかせた。」
3分でネパール行きが決まってしまった。
初めてパックツアーを利用するので、「団体行動が嫌だな」とか「自由時間あるのか」など、勝手がわからないのでけっこう不安になっていた。結局、ツアーメンバーは僕等を含めて8人、ツアコンのS氏(女性)の計9人のツアーとなった。この年末にネパールまで行こうというのだから、何のことはない旅慣れたメンバーばかりであった。私だけが大阪発で残りは成田からバンコクで合流する事になった。
大阪空港の出国審査で係官に「ネパールですか、えらい高い所へ行かれるのですね、お気をつけて」と言われた。「まぁ、たしかに高い所やな」と思いつつ合流地点バンコクへ
JAL 701便の乗客となった。
大爆笑ものの合流の後。 翌日、午前中バンコク市内の暁の寺院や黄金寺院、水上マーケットを観光し(バンコクをちゃんと観光したのは初めてだったので新鮮だった。)2時間遅れのロイヤル・ネパール航空でカトマンズへ。T代理店の話によると前年、同じツアーでこのロイヤル・ネパール航空が欠航しツアー一行がパニックになった経緯から今年は採算度外視でツアコンを張り付けたということ。でも、メンバーの顔ぶれを見れば欠航になっても何とかしてしまうメンバーばかりだったが・・・(^^)
夜、カトマンズ国際空港。国際空港というより地方空港という感じであったが、ちゃんと税関もパスポートコントロールもあるし立派な国際空港であった。そして空港を出ると、独特の香辛料の匂いが漂ってきた。「この匂いを嗅ぎたくて海外にでるんだよな」と呟きつつお迎えのバンへ、こういう時ツアーは足の心配しなくていいから楽だ。
ホテルの近くの雑貨屋でAと二人で「GOLDEN EAGLE BEER」を見つけて買い出してくる。
何故か旅に出ると酒を売っている店が「勘」でわかってしまう。
単なる呑んべか!
そして、お約束の停電、マグライトを持っている私達は慌てず騒がず、にこやかにであった。

翌朝、飛行機でヒマラヤ観光をするというメンバーと別れ、私とamanoは市内をブラブラしていた。
そしてamanoとも昼の待ち合わせ場所を決め別れた。
朝靄のなか路地から路地へと歩き、角々にはヒンドゥーの神々が祀ってある。
間口一間の店先には黄色く色付けされた水牛の肉や、赤っぽい大根、小さなジャガイモ、鍋釜を売っている。
なぜかそのような所を歩いているだけで満足している自分がいる。
少年がボクにガンジャ(マリファナ)を買わないかと声をかけてくる。
街は霧でモノトーンの世界になっている。
私も茶屋でチャイを飲み一息ついた。
霧の中から牛が現れる、足もとを鶏が走っていく。
そしてメインストリートにでた。
霧が晴れた。
はるか彼方にヒマラヤが見える。
まさに「神々の山」をいただいた首都である。
王宮では兵士がのんびりと警備をしている。

午後、amanoやツアーメンバーと合流して郊外に向かった
一人の街歩きは楽しいものである。
どこの街にも神がいる。
そう空気のように
そして夕方。
みんな家路を急いでいる。
明日はポカラに向かう。

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