永遠の都


朝7時半まだ空は暗い。

今週から冬時間になるのかと思ったら、今年は11月1日からとのこと。
「今日は何処へ行こうか」とガイドブックを見てると、さすが永遠の都ローマ・・・コロッセオ、スペイン広場、トレビの泉、バチカンとパラパラ見ているだけでも知っている観光名所がズラズラと出てくる。
「やっぱバチカンかな・・・今日は日曜だからミサもあるし」
と地下鉄Termini駅へ。

4EUR(1EUR≒137円)の1日乗車券を買おうと自動販売機で5EUR入れて1日券のボタンを押したところ1EURのお釣りは出てきたが、肝心の切符が出てこない。

表示がイタリア語だけなので雰囲気はわかるのだが表示の意味が読み取れない。
回りに駅員はいないし、キャンセルボタンなどを押したら全てがリセットされてしまった・・・アレアレ。
いきなりローマに「寄付」かぁ・・・結局1日券は同じ構内にあったTABACCHI(キオスク)で買った・・・最初からこちらで買えばよかった。
落書きだらての地下鉄でバチカンへ。

あいにくの曇り空・・・昨日は晴れていたのに。

地下鉄を降りて人の流れについていくと回廊にあたり中へ入るとサン・ピエトロ大聖堂が正面に見える。

バチカン市国・・・世界最小の独立国家である。

広さは44ヘクタールといってもピンとこないので、検索してみると東京ディズニーランドの園内と同じ広さの国である。
何も知らない私は当初パスポートが要るものと思っていた。

いつものように機内でガイドブックを初めて読んで、バチカン市国の記述に何も書いていないのを確認して、パスポートは不要なんだな・・・と判断したのである。

カトリックの総本山。

まだ9時前だというのに大勢に観光客である、それも人種もバラバラ、世界各国から来ていることが一目瞭然である。
大聖堂の中に入るのに荷物のX線チェックがある・・・これが入国審査のようなもんである。

一歩聖堂内に入る・・・さすがに大きい。
これがミケランジェロがデザインしたと言われるサン・ピエトロ大聖堂か。

過去にパリのノートルダム寺院、ロンドンのウェストミンスター寺院、ケルンのケルン大聖堂、ウィーンのシュテファン大聖堂など欧州の主要な教会は行っているが、規模が違う・・・
祭壇までが遠い。

中央にはミサ用の椅子がしつらえてある。

壁面には様々な彫像や絵画がある。
絵などを見ていると聖書のシーンや登場人物とちゃんと重なってくる。
今回、イタリアに来る前にガイドブックより優先して読んだのが「新約聖書」である。

いつも欧州に行く時は「聖書」と「ギリシャ(ローマ)神話」を読み返すようにしている。なぜならヨーロッパの美術館や博物館に行くと「聖書」「ギリシャ神話」をモチーフの美術が大変多い。
以前にも書いたことがあるが、私は名所旧跡をちゃんと見るタイプではなく、その場の雰囲気などを楽しんで満足してしまうので、最低限の予備知識を持っていないと「フンフン」と言って通りすぎてしまう。
せめて美術館に行くのに最低限の知識は持ち合わせないと・・・それと暇つぶしに読むにはちょうど良い本である。


「聖書」といっても通常の「聖書」ではなく「小説聖書」という数年前に刊行されたベストセラーである。聖書を小説にして書き下ろしているので、私みたいな門外漢にも流れや登場人物がよく理解できるようになっている。<旧約編>はモーゼやソロモン王、<新約編>はイエス・キリスト以降の話である。

教会で使われるモチーフは決まっていて<新約>なら「受胎告知」「誕生」「最後の晩餐」「磔」「転生」「最後の審判」あたりが多いかな。

そうこうするうちにミサの時間になってきた、多くの信徒が列をつくって入場してきた。見ていると人種がバラバラなので世界各国からカトリックの総本山を目指してやってきた信徒の方たちだろう。緊張気味な人、笑いながら入ってくる人、十字架を握り締めている人・・・ここでミサを行うことは信徒にとって特別なことであることぐらい異教徒の私でも理解できる。

祈りが始まった。
私は聖堂から退出した。

目の前のサン・ピエトロ広場は30万人の人が集まることができると言われている。
ニュースでこの広場でヨハネ・パウロ2世が話しているシーンは何度も見ているので「ここか」という感じである。

広場を突っ切って出国。

曇り空。

地図を見ているとスペイン広場もトレビの泉も歩いていけそうだ。

歩いてみないと街の規模がつかめない。

方向に見当をつけて歩きはじめた。

目の前を団体が歩いている。ガイドがところどころ停まって説明をしている。







フラフラ写真撮りながら歩いていると道に迷ってしまった。

通りを抜けると広場に出た。

ココは何処だ・・・?・・・と、地図を見るとスペイン広場とは別の方向に歩いていたことがわかった。

ナヴォーナ広場。

やっと晴れてきた・・・嬉しい。

ちょっと休憩。

焼き栗の屋台を見て「欧州の秋」を感じる。

一つ買って・・・位置的に近いトレビの泉へ。

再び道を間違えてやっとたどり着くと、予想どおりすごい人。

「また(ローマに)来ることができますように」とお祈りして、硬貨を背中ごしに投げるのはお約束。
おそらくこの泉に来ている人の考えていることは同様であろう。

世界でもっとも有名な泉である。

次はスペイン広場。

こちらはさほど迷わずにたどり着けた。
こちらも多くの観光客である。

またピンクのTシャツを来たサポーターが大挙して騒いでいる。
何処のチームかと訊くと・・・イタリア語で何人も「パレルモ」と言って、自分のチームがいかにすごいかを身振り手振りで話してくれる。
スンマセン・・・私イタリア語わからないんですけど・・・
今日(24日)ここ(ローマ)でASローマとの対戦することとパレルモのチームはシチリアにあるチームであることがわかった。

ともかく賑やかな一団である。
スペイン階段がピンク色に染まっている。

ここでジェラートを食べるのがお約束なのだか・・・私はそろそろ歩きつかれたのでカフェでランチとビールにしましょう。


ローマへ続く道


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