アクシデント



話は戻って、カドゥキョイ行きの船の中での出来事である。

カドゥキョイ行きの船は、すでにデッキは満席なので二階席へ行こうと階段を上がっていった。
あと一段で船室と思ったところ、左足のサンダルの踵を誰かに踏まれた。
アッと思った瞬間、バランスを崩して倒れ、耳の後ろ右側頭部がベンチのカドに当たった。
気を失った。
気がつくと船室の座席で横になっていた。
船は出航している。

誰かが座席に寝かせてくれたようである。
まわりの人達が心配そうにのぞき込んでいる。
「大丈夫か?」
「気分は悪くないか?」
など、言葉は通じなくても気持ちは充分通じる・・・ありがたいことだ。
どうやら気を失っていた時間は2〜3分のようである。
頭全体は痺れたような感じがあり、ちょっとフラフラするが意識は大丈夫だ。
触ってみると大きく腫れている。
どうやら頭蓋骨は頑丈だったらしく、とりあえずは生きている。

いままでの人生で「気を失った」なんて初めてである。
カドゥキョイについて、ベンチに座ってしばらく様子を見た。
いままで海外で大きな病気や怪我をしたことがなかったので不安だった。
30分ほど座っていた。
「う〜ん」

頭のふらつきは無くなったが、とりあえず痛みはある。
痛みがあるということは大丈夫だと判断して、前ページのようにカドゥキョイを歩いた。
カドゥキョイからホテルに戻りしばらくベットで休んでいた。
痛みも治まった、吐き気も無い。
側頭部まだ腫れているけど、どうやら大丈夫。
さてガラタ塔からの日没を撮りにいきましょう。


*帰国してから検査を受けたがとりあえず異常は無いという診断、今でも側頭部に痛みが走る時がある、神経を痛めたのかもしれない。

ガラタ塔からのサンセット

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