点をつなぐ


ホテルも決まったし、天気は快晴、雲ひとつ無い。
スルタン・アフメット・ジャーミィ(ブルー・モスク)、アヤ・ソフィア、トプカピ宮殿、シルケジ駅、ガラタ橋、ボスポラス海峡、グランド・バザール、地下水道跡、ガラタ橋。


14年前の「点」の記憶を線として繋いでいくことを始めるか。


私はガラタ橋に向かって歩きはじめた。

14年前来たときも最初にガラタ橋へ向かったのは覚えている。
地図を見ながら歩いていくと15分ほどで、ボスポラス海峡が見えてきた。
「こんなに近かったんだ。」

朝の通勤時間帯ということで、連絡船が数分間隔で発着している。

しばらく眺めていた。

人が動いている街の風景はいいものだ。

ガラタ橋を渡るのは夕方にしようと思い、引き返すことにした。
シルケジ駅を通り過ぎ、宿の近くのスルタン・アフメット・ジャーミィへ。

イスタンブールを代表するジャーミィ(モスク)の一つ。
別名ブルー・モスク。

朝も早いというのに次々と観光バスが到着している。

名物、絨毯屋・・・こちらは準備中ということころか。

入り口は、観光客は横からと信者と区別されている。


中に入ると、見事な装飾だが、人が多すぎる。

無料だからというのもあるな。

落ち着いて見るということができない。

一通り見たら場外へ、なんか落ち着かないなぁ。

好きな場所なんだけどなぁ。

市内の至る所にF1のイスタンブールグランプリの開催看板やポスターが貼られている。
トルコで初めてのF1開催・・・来週か、見ることができないなぁ〜残念。

暑いけど空気が乾いているし、ドーハと比べたら楽なもんだ。

そして道路を隔てたアヤ・ソフィアへ。

ここはキリスト教の教会のあと、イスラム教のジャーミィとして改装されて使われてきた。

1931年、漆喰の下からイエス・キリストやマリアのモザイク画が発見された。

そして博物館として保存され公開されている。

14年前トルコに行こうと思った動機は、前回の旅行記「シルクロードと地中海」でもちょっと触れているが、NHKの「シルクロード」の番組で、アヤ・ソフィアのモザイク画のシーンで感動してトルコ行きを決めたのである。

さて、その時撮ったイエスのモザイク画は、ことごとくブレてしまい、使えるのは1カットだけという悔しい思いをしたので今回はリベンジという意味もある。


内部は補強工事のため櫓が組まれている。
イエスのモザイク画はどこだったっけと探してようやくたどり着いた。
慎重にカメラを構え、レンズは35mm、絞り開放、シャッター速度1/8・・・あいかわらず暗いぜ。
ゆっくりとシャッターを押した。
カシャーンという音が響いた。
「撮れた!」という感触が伝わった。

そしてもう一つの難物。
天井のマリアのモザイク画。
90mmに付け替えてカメラをかまえる。
こちらも絞り開放、シャッター速度1/15、外光が入るとはいえ手持ちでは厳しい条件である。
まず一枚。

ブレたという感触がわかる、ダメだ失敗。
3カット目、息を止めてカメラを額に押しつけ、足を開いて身体が動かないようにして、シャッターを切った。

「やった!これは大丈夫。」
帰国後、現像したポジをチェックしていると、3枚目だけがちゃんと写っていた。

さて一息いれよう。


メドゥーサという、見るだけで石にされてしまいそうなカフェのテラスで休憩。

ビールを飲みながら、手紙でも書くことにしよう。












徐々に点が線となってつながり始めた。


ボスポラス海峡夕景

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