ドライ・デーな一日


さて話は戻るが、荷物を預けてホテルの外へ。
そろそろ夜明け。
陽が出ていないのに、ものすごい暑さ、そして湿度。


アザーンがモスクから聞こえてくる。
その方向に向かって歩き出した。

ぼちぼちと朝の出勤や通学という時間、愛想も素っ気もない低い建物ばかりだが、店の看板のアラビア文字が面白くて、あちこち歩きまわっていた。
しかし暑い。

中級クラスのホテルを見かけたが、やはりあることはあるんだ。
ひとしきり歩いて土地勘をつかみホテルへ。


9時にチェックインして部屋で9階のツインのシングルユースで広くてキレイな部屋である。面白いのはベランダがあり、そのベランダに出ることができること。
窓の横にはシールが貼ってあり、「砂嵐があるので窓を開けたままにしないように。」
という注意書きが書いてある。

高いところは怖くて苦手だが、市内一望できるので位置関係を掴むことができた。
その後シャワーを浴びて昼(朝?)寝。
一眠りすると楽になった。


アラビア湾を見たいと思った。
部屋から見た海は近そうだったので、海の方向に向かって歩き始めた。

すでに気温は40度を超えている、歩いている人などほとんどいない。
途中立派なモスクがあり入ろうとしたら異教徒なので入れてもらえなかった。
「観光」という概念がないので、異教徒が入るなんて想定していないのであろう。

ホテルのフロントにも観光案内MAPや市内地図などなかったし、「砂漠ツアー」などもあるそうだが、そういう受付カウンターも代理店もホテルにはなかった。


歩いていて気がついたのが、ここは完全な車社会。
海で出る手前に片側4車線の道路があって、車はガンガン飛ばしている。
そして信号が無い。
人が歩いて渡ることを考慮していない。
なんとか渡り、海に出た。

緑色をしたアラビア湾、手をつけてみた。
暖かな海である。

反対側には高層ビル群が、あそこがドーハの中心部なのであろう。
ショッピングモールなどもあるみたいだし、リッツ・カールトンなどもあちらに位置しているのだろう。
でも、私の泊まっているエリアは商業地区なのでそれはそれで面白いエリアである。


汗まみれになってホテルに戻った。
もう行く場所もないので、ホテルのプールで泳いでいた。
立派なプールがあるが、泳いでいるのは私だけ。
バーカウンターもあるが誰もいない。

温度計を見ると45度・・・暑いはずだ。
1時間ほどプールで泳いでデッキで本を読んでいたが、飲み物は頼めないし、暑いしということで部屋に退散。

晩ゴハンを食べるためにアラブ料理を食べられるレストランを捜した。

この国の特徴で、カタールの人たちはホワイトカラーの仕事に従事していて、ブルーカラーの仕事はパキスタン、ネパール、インド、スリランカからの出稼ぎに人たちで占められている。
だから街中でみかけるレストランもインド料理屋ばかりである。
私も朝、昼ともインド料理店やネパール料理店でドーサやダルバーツを食べていた。


なんとか「ゴールデン・パレス・レストラン」という店を見つけた。
ケバブやピラフ、トマトのスープを注文。
「ビールある?」と聞いてみた
やはり無かった。
さすがイスラム国家、昼間、雑貨屋でもオランダ産のノンアルコール・ビールしかなかった。
美味い料理だったので「ビールがあればなぁ〜」とちょっと残念だった。
食費はとても安く、3品で700円ぐらい。




何も無い街だったけど、それはそれで面白かった。
そして結果として休肝日のドライ・デーとなってしまった。


明日はイスタンブール


14年前においてきたもの

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