ドイツ紀行・その4


【アイゼナハ】(99.09.10)

アイゼナハはこじんまりとした、いかにも片田舎という風情の街で、昔は城壁に囲まれていました。アイゼナハに限らずヨーロッパの古い都市は、かつて外敵から身を守るために街の周囲を城壁で囲んでいました。その中に住んでいれば神のご加護が得られるが、いったん外にでるとそこは悪魔や化け物の跋扈する世界で、もちろん神の加護は得られない−−そういう世界観だったようです。だから基本的にヨーロッパの都市は「点在している」ものなのですね。

●ドイツは日本より面積が狭いのですが、郊外に出ると広大な農地や牧草地帯が広がっていて、非常に国土が広いように見えます。日本は国土のほとんどが山地なので実際に住める所は少なく、狭い土地に密集して住んでいます。だから(少なくとも現代は)都市と都市との間がシームレスになっています。それに対してドイツは国土のほとんどが「使える土地」なので、日本から見れば贅沢な土地の使い方ができます。飛行機から下を見ると、本当に緑の中に街が「点在している」様子が実感できます。

●さてアイゼナハはバッハ生誕の地ということで、バッハハウスがあります。日本のガイドブックには「バッハの生家」とありますが、実際は生家であったかどうか不明です。バッハは10歳の時に孤児になり、孤児院のような所で育てられたのだそうです。若い頃は苦労したのですね。また、彼は死後に再評価されたので、生前に現在のような世界的な名声は得られなかったようです。


バッハハウスの前にある、バッハ像


バッハハウスの全景

●バッハハウスは当時の暮らしぶりを再現しているだけでなく、譜面や重要な書類などを多数展示し、非常に興味深い内容になっています。入口で日本語の解説書を貸してくれたりして、なかなかサービスがいいです(^^;。当時の楽器を展示している部屋では、係員が説明しながら実際にその楽器を演奏してくれます。ライプツィヒのバッハ博物館と違い、かなり興味深く見ることができました。


バッハハウスの前の広場。瀟洒な町並み。

●また、宗教改革のルターが若い頃アイゼナハに3年ほど住んでいたということで、近くにルターハウスもあります。そこも行ったのですが、展示などはすべてドイツ語(英語の説明は一切なし)。私はあまりよくわかりませんでした(^^; 。ルターハウスの前は工事をしていて、通りにくかったです。

●アイゼナハに限らず、どの都市でも工事をしていました。特にベルリンは東側がすごかった。クレーンだらけでした(^^;。ドイツは10月から首都が正式にベルリンに移ります。その関連もあるのでしょうが、ドイツ全土が工事ラッシュという趣でした。日本だったら土建屋がウハウハ状態でしょう(^^;。

●さて、ルターハウスから駅に戻る途中で教会に寄りました。ここはガイドブックにも載っていないのですが、バッハが洗礼を受けた教会だそうです。


歴史を感じさせます。


内部はシンプルですが美しい。

●さて、アイゼナハはそんなわけで2時間程度の滞在となりました。鉄道を使って、その日のうちにノイシュタット(Aisch)に向かいます。次回をお楽しみに。


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