大雪山(赤岳、白雲岳)(北海道)


はくうんだけ 標高2230m。

 大雪山は広い。
 筆者は2006年までの二度の山行で、 旭岳周辺を歩いたことがあるだけである。
 そして三度目は、 2008年の7月初旬に銀泉台から入山し、 赤岳から白雲岳を歩いた。 目的は、日本では北海道の大雪山系にしか生息しないウスバキチョウの撮影である。
 層雲峡の宿を早朝に出て、 銀泉台まで車で上がる。大雪山観光道路は砂利道ながらよく整備されていて、 普通乗用車で走行するのに何ら問題はない。 銀泉台の駐車場につくと、 登山者のものと思われる6台の車が停まっている。 登山の準備をしている人もいる。
 山にはガスがかかっていて、 すぐには晴れそうないので、 ゆっくり支度をして、 ひんやりとした空気の中を6時過ぎに歩き始める。 天気は芳しくないが、次々に現れる高山植物の花が目を楽しませてくれる。 いくつかの雪渓を横切って、銀泉台から約1時間でコマクサ平に着く。 コマクサの株が平坦な砂礫地に点在し、 ピンクの花があちこちに目につく。 まだ時間が早いし、太陽も顔を出さないので、腰をおろして待つことにする。 歩いていれば汗が出てくるが、 立ち止っていると少々肌寒い。 そのうちに雲が少し薄くなり、雲間から薄日が差すようになる。 そうするとまず飛び出すのは、 ダイセツタカネヒカゲである。 一時間半ほどいて、何枚か写真を撮るが肝心のウスバキチョウはほとんど姿を現さない。 植物の定点観察に来ていた人の話では、 6月中旬には発生していたとのこと。 今回の山行も当初は6月中に計画していたのだが、 諸事情で7月になってしまったのである。 予想していたこととはいえ、やはり遅すぎたようだ。
 コマクサ平にいても望みがなさそうなので、 赤岳に登ることにする。 40分で赤岳頂上。まだ時間の余裕があるので、 白雲岳目指して歩く。 広々とした尾根はいかにも大雪山らしい雰囲気だ。 色とりどりの花を見ながらの稜線歩き。 白雲岳の頂上付近は大きな岩が重なり合った岩場になっている。 晴れていれば絶好の展望台らしいが、 あいにくガスが取り巻き、 まったく景色は見えない。 短時間休んで、往路を戻った。
 もう一度コマクサ平で一時間以上粘るが、 ウスバキチョウは現れてくれなかった。 自然相手では、予定通りにいかないことがあるのも仕方ない。 来年また再挑戦する ことになりそうだ。

 山行記録: 2008/07/05 (銀泉台からコマクサ平、赤岳経由、白雲岳往復)

 早朝の銀泉台。 山にはガスがかかっている。
 写真は、すべてPENTAX K10D・DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影した。

 赤岳の頂上

 どこでも高山植物の花が出迎えてくれる。 花は天気の良し悪しにかかわらず楽しめる。

 赤岳から小泉岳に続く尾根は広い砂礫地になっている。 その砂礫地に高山植物がパッチ状に群落を作っている。

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