北海道 2010年初夏
2010年6月下旬、蝶の撮影を目的に北海道を旅行した。
 2年前の2008年7月に、ウスバキチョウの観察、撮影を行うために 大雪山に登ったのだが、このときは時期的に遅すぎたのと、天気が良くなく、 不満足なままに終わった。
 翌年の2009年、再チャレンジするため、飛行機の手配までしていたが、 他の予定が入って中止せざるをえなかった。
 といういきさつがあり、今回は2年ぶりのウスバキチョウ撮影への挑戦である。
 2か月前には日程を決め、マイレージの特典を利用して飛行機を予約した。
 旭川入りした初日は曇りでときどき雨が降る変わりやすい天気で、 これでは蝶も飛ばないだろうと思い、午前中は旭川動物園で時間をつぶした。 評判の動物園だけに平日の朝でもけっこう入場者が多い。 展示はなるほど工夫がこらされていて、普段動物園には縁のない私でも感心させられた。
 昼に愛山渓に移動し、曇り空ながらミヤマカラスアゲハなど数種類の蝶を撮影することができた。 しばらくしたら、雲が厚くなったので、層雲峡の宿「山の上」に移動し、 早めにチェックイン。 夜は、オーナーからいろいろな情報を仕入れることができ、大変参考になった。
 翌日は朝から雨で、出かけられない。
 3日目は快晴で、早朝に銀泉台から登山を開始。 コマクサ平と赤岳で念願のウスバキチョウとアサヒヒョウモンを撮影した。
 4日目は3か所ほど回って撮影したのち、夕方の飛行機で帰京した。
 写真の出来にももう一つ満足出来ないものの、新鮮なウスバキチョウの舞う姿を観察できたので、 いちおう目的は達したと思っている。
 今回使用したカメラはCANON EOS 5DMarkU・EF100mm F2.8Lマクロ IS USMと RICOH GX200である。

(1) 大雪山(コマクサ平、赤岳)
 前日の予報で快晴と報じられたので、早朝勇んで宿を出て銀泉台に向かった。 義泉台に到着すると、2年前と景色が違っている。 閉鎖中だった山小屋の建物が撤去されていたからだ。 管理小屋で登山届を出して登り始めると、いきなり雪に出会う。 今年は残雪が多いと聞いていたが、確かに多い。 第一雪渓、第二雪渓と雪の斜面を登る。 気温が高いので、雪面は柔らかい。 軽アイゼンを持ってきたが必要なく、 約1時間でコマクサ平に到着した。
 カメラを取り出して、ウスバキチョウがいつ飛び出しても 撮影できる態勢で待ち構える。 しかし、なかなかウスバキチョウは現れない。 姿を現しても、近くまで来てくれない。 どうも発生のピークはすでに過ぎている様子だ。 ダイセツタカネヒカゲだけはたくさん飛んでいるが、 2年前にさんざん撮影したので、撮る気になれない。 じっとしていても見込みがなさそうなので、赤岳まで登ることにする。
 第三雪渓を登ると奥ノ平で、ここはキバナシャクナゲが多い。 アサヒヒョウモンもたくさん飛んでいるが、近寄ると逃げてしまう。 なかには少数ながらウスバキチョウも混じっている。
 第四雪渓を登ると赤岳頂上は近い。 頂上からは大雪の主だったピークが一望できる。 残雪の大雪山の景色だけでも素晴らしい。 頂上直下の平らな岩礫地に目をやると ウスバキチョウが飛んでいる。 けっこう素早く飛ぶので、撮影には苦労した。 しばらくウスバキチョウの観察を楽しんでから、往路を下山した。
 この日はとにかく天気がよく、ウスバキチョウも観察できたので、 満足できた一日だった。



(2) 愛山渓ほか
 北海道に入った初日に、愛山渓に立ち寄り、ミヤマカラスアゲハやエゾシロチョウなどの 撮影を行い、最終日の4日目にはニセイチャロマップ林道でジョウザンシジミの撮影を行った。

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