金魚鉢の中の金魚はどのように見える?

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金魚鉢の中の金魚は随分と大きく見えますね。一体何倍ぐらいになって見えるのでしょうか? ’02年度の早大理工入試問題に、このような内容の問題が出題されました。
以下のミュレーションで、丸いのが金魚鉢、赤い柱が金魚と考えて下さい。金魚の上端Pから出た3本の光線の交点として、その像を求めています。作図で像の位置を求めるには2本の光線で十分なのですが、実際には1点から出た光線が全て1点に交わらないことが多いため、どの光線を利用して物体を見るか、つまり物体をどの角度から見るかによって像の位置がずれてしまい、したがって倍率も違ってきます。この事を示すために、ここでは3本の光線を使って作図してみました。1本は金魚鉢の中心を通る光線(えんじ色)で、これは屈折しません。他の1本は、上端Pから出て光軸に平行に進む光線で、青色、およびその延長線を水色で表してあります。残る1本は、上端Pから出て金魚鉢と光軸との交点に進む光線で、黄緑色、およびその延長線をオレンジ色で表してあります。水色、オレンジ色の柱は、それぞれ第1と第2、および第1と第3の光線の交点で作図した金魚の像を表します。金魚の高さをスクロールバーで小さくしてみて下さい。このとき2つの像の位置はほとんど一致します。つまり光軸となす角度が小さい光線を利用する限り、多少物体を見る角度を変えても像の位置はほとんど変わらないことが分かります。逆に金魚の高さを高くしてみて下さい。2つの像の位置は大きくずれてくるのが分かります。このことは、物体を見る方向で像の位置が変わってくるということと同時に、光線が一点に集まりにくいということからきれいな像が出来にくいことを意味してます。下の倍率は、水色の柱の倍率です。
これらのことを確認するために、写真を撮ってみました。これを下に掲載してあります。残念ながら金魚鉢と金魚が近くになかったものですから、ガラスのボールと線引き定規で代用しました。ボールの端っこで定規が大きく写り、かつ心持ちピントが甘くなっていることが分かります。


操作法:スクロールバーで、金魚の位置、高さ、屈折率を変えてみて下さい。
目の位置は、金魚鉢の右側にあります。