上図において,球の中心を通る直線@と,物体の上端Pから出て光軸
に平行に進む光線Aとの交点として像の位置を求める。
物体の
座標を
,物体の高さを
とすると,光線@は屈折しないので,光線@は
なる式で表される。
つぎに光線Aについて考える。球形容器の半径を
,容器内の屈折率を
,外の屈折率を
とし,また各部分の角度を図のように設定すると,点Qにおける屈折の法則は,
ここで
であるから,
一方点Qの
座標
は
であるから,屈折後の光線Aは次式で表される。
に
を代入して
式と
式とを連立させて
,
を求めると,
となる。ここで
が
に比べて十分に小さくしたがって光軸
軸に近い光線のみを考えてよいとすると,以下の近似式を適用して,
よって倍率は
となって,金魚の
座標が小さい,すなわち眼から遠ざかるほど倍率は高くなり,金魚は大きく見えることになる。たとえば水の屈折率はおおよそ
ぐらいであるから、金魚が金魚鉢の中心付近にいれば
とおいて倍率は
に等しく
倍、もっとも遠い位置にいるとして
とすると倍率は
倍となる。