テキスト ボックス: お日様が真上になりました。
草むらではうさぎの家族が食事中です。
クロネコもくまさんも、お腹がぺこぺこ。
「おじゃましまーす」とあいさつして座りました。
クロネコはチーズとビスケットのお弁当。
すぐ食べてしまって、口のまわりをきれいにしています。
くまさんは顔ほども大きい黒パンをゆっくり、ゆっくり食べまし
た。ふくらんでいた郵便かばんが、ぺちゃんこになりました。

「ぼくたち、くまさんの名前をさがしてるの」
クロネコがいいました。
「うーん、ここらにはないようだが、」と、うさぎのだんなさん。
「くまさん、前みたいにときどき遊びにきてくださいな」
うさぎの奥さんがいいました。
「そうすれば、きっと名前はみつかりますわ」
              
うさぎのぼうやがよちよちと歩いてきます。
くまさんにタンポポの花をあげようとして。
タンポポはぼうやのお昼ごはんです。
「・まあ・・ありがとう・・」
ぼうやをそっと抱っこしました。
くまさんの心がふんわりと温かくなります。
うさぎの奥さんがほほえんでいます。
くまさんもにっこり。
固くなっていたほっぺが柔らかくなります。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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