テキスト ボックス: クロネコはあっちで手紙を配達したり、こっちでくまさんの名前
をたずねたり・・。
木のうろがあれば、中をのぞいてみることも忘れませんでした。
それでも名前は見つかりません。
だれもがこういうのです。
「なんてったっけ、くまさんの名前」
「たしか、とってもステキな名前だったよね」
いったい名前はどこにいってしまったんでしょう。
森の色がすーっと消えて、小鳥の声も聞こえなくなって、くまさ
んはしゃがみこんでしまいました。

                 
「どうしたの?」
クロネコが、くまさんの顔をのぞきこみます。
森の仲間も心配そう。

「・・ごめん・なさい、もうだいじょうぶ」
くまさんは立ちあがりました。
きっと、きっと、名前はかえってくるわ。
そうしたら、また昔のように、みんなと一緒にピクニックしたり
きのこ採りにいったりしましょう。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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