ヤマハ船外機175Dキャブ分解抜粋

30GキャブレターO/Hの仕方補足の40Hフロートレベル調整を見てから御覧下さい。


キャブを船外機から取り外した状態です。
燃料ホースはキャブの一番下に付いてるホースのみ接続したままにしてあります。
尚、燃料ホースが外れないようにしてあるインシュロック(プラスチック製のバンド)は
ニッパ等の工具で切断してください。組み付け時にはインシュロックが必要となりますので
分解前に新品を用意しておいて下さい。


下のキャブは上蓋とパイロットスクリューを外してあります。



このように1個キャブを組み立て見本にするために2個のキャブをO/H後、
組み立て見本をO/Hすると組み付けミスがなくなります。



フロートピンは30馬力(30G)の時と違い、横から差し込んであるので、先の尖った物で
押し込み、ラジオペンチ等で引き抜きます。尚、エンジンにより打ち込まないと
抜けなかったり指定方向でないと抜けない場合もあります。
中央上に右側から取り外したフロートとニードルバルブがあります。

下側のマイナスネジをプライヤーで挟んでる写真は、ネジでドライバーを使っても緩まない
場合、このように挟んで左に回すと高確率で緩みます。ただし、無理して回して
捻切ってしまう場合もあるので注意して下さい。特にネジにドレン用の穴が切ってある場合は
小さな力でも捻切ってしまうので注意して下さい。
今回、このネジは緩みそうもなかったので取り外しは諦めました。


上のキャブはフロートチャンバーパッキン(又はフロートチャンバーガスケットとも言う)が
キャブ上に張り付き、まぁまぁ綺麗に剥がれた状態で、下のキャブは
逆にフロートチャンバー(フロートチャンバーボディーとも言う)側にガスケットが
張り付き、中心部が破れて上側に残ってしまった状態です。
本来、このパッキンはフロートを先に取り外さないと取り外し出来ないのですが
下のキャブのようにフロートチャンバーの方に張り付いてしまった場合は
破れるのを覚悟でフロートチャンバーを分解します。

尚、数年この部品を交換していないエンジンでは綺麗に剥がれる事が少ないので
分解前にこの部品を入手しておく事をお勧め致します。
特にこれより古いタイプのV4とかV6の船外機ではゴム製のパッキンを使用しており、
古くなるとパッキンがボロボロになり、その破片でキャブが詰まる事があります。
キャブが詰まった原因を調べず、そのままそのボロボロになったパッキンを
再利用すると再度キャブが詰まる原因となりますので、数年間ここのパッキンを
交換してない場合は、念のため分解前に部品を入手しておくと良いでしょう。
過去私の場合、このフロートチャンバーパッキンは交換の必要性が高い場合がほとんどでした。


カッターナイフ等を利用すれば上手く分解出来る場合がありますが、
パッキンを交換した方が無難です。

私の場合、下側の燃料ホースはつけたままにしてますが、念入りにこのホースの
中は清掃と点検をしています。取り外して掃除した方が無難な場合もあるので
初心者の方はこのホースを外して通路を清掃した方が良いと思います。

これ以前の形式のキャブの場合、フロートチャンバー下側両サイドにドレン抜き(水とか燃料抜き)の
小さなネジ(金色)があるのですが、このネジが時々緩めると折れるので注意して下さい。
折れた場合はドライバー等を軽く打ち込み、左に回すと大半が取れます。
また左回転用のドリルの刃を使っても緩む場合が多いです。