FESTIVAL D'AVIGNON

アヴィニヨン演劇祭公式ガイド 11


■アヴィニヨン非公式観光ガイド2

 前回のオルロージュ広場に戻ってみましょう。広場を埋め尽くす
椅子やテーブルはデザインが異なれば違うお店なんです。そばにウ
エーターがいても、お隣りだったら注文は取ってもらえません。夏
のアヴィニヨンはいつもいい天気なので(昨年は例外的に雨が多く
てみんなびっくりでしたが)外に椅子やテーブルがあり、室内の部
分は本当に小さいのです。

 それは広場の上手、サン=ピエール広場にあるレストランも同じ
です。この辺りには南仏料理から、ヴェトナム・中華系やら、ベル
ギーやら、小さいレストランがあちらこちらに店を出しています。
お昼のお薦め料理は「プロヴァンス風大人のお子さまランチ」。ひ
とつのお皿に、サラダやハーブの効いたペーストのカナッペやグリ
ルした野菜やお肉が一緒くたに乗っている一品があるのです。目印
はプロヴァンスの代表的な果物、オレンジ色メロンです。私が入っ
たお店ではEpicerie Specialとなっていました。これを一皿とった
ら、あとは飲み物とお好みでデザートで大丈夫で、時間もかからず、
いろんな味を楽しめて大いに満足のいくところです。

 中華系レストランは日本と全く違います。フランス風に前菜、メ
イン、デザートを選ぶようになっています。そしてラーメン、ワン
タンの類は前菜扱いなのです。断固、春巻きやサラダの前菜盛り合
わせと、ラーメンを頼んだのは私です。

 町中のレストランやカフェで遭遇するのは流しの音楽家たち。グ
ループで演奏したり、手回しオルガンのおじさんもいます。ルール
ができているのか、同じ場所で演奏する時間は20分位。終わるたび
にお金を集めに回ってきます。ときには言葉の分からない人と決め
つけられて無視されたこともあります。気が向けば 1フランくらい
お渡しするのもいいでしょうね。何といっても、ここは祝祭の街で、
私たちはヴァカンスなのだから。

− つい戻ってしまうオルロージュ広場から奥には、アヴィニヨン
の象徴、教皇庁があり、向かいにオフの事務所。オフに関する情報、
各劇団のチラシ、プレス記事のコピーなどなどが全て揃っています。
その並びには ON/OFFのTシャツのウエーターたちの大きなカフェ、
その名も ON/ OFF。夜遅くまでライトアップされた教皇庁を眺める
スポットです。

− 再度オルロージュ広場に戻り、手前を下手にサン=タグリコー
ル通りから突き当たりをジョセフ・ヴェルネ通りに奥のほうへ。フ
ァッション好きには丁度いいセレクトショップやオリジナリティあ
ふれるブティックが並んだ小青山通り(かな?)。もう一度下手の方
へ行くと、クリヨン広場があります。城壁の門に面したこの広場は、
なんだが空が広く感じるところなのです。大きなカフェはあまり混
んでいなくて、人混みに疲れた時にいいところです。近くにはオッ
フの劇場がいくつもあり、フェスティバルのVIP が泊まることで知
られているホテル・ヨーロッパがあります。でもこのホテルは高い
せいか、他が満室の時でも運がいいと空室があることも…

− 再びいつもの広場に戻りつつ、もっと上手の方へ進んでみまし
ょう。カルメ広場:サン・ピエール広場からカルノ通りを上手に行
くと、長細い広場があります。インのプログラムが必ずあるカルメ
ル修道院前です。カフェやタパス料理などおおくのレストランがあ
り、午前3時までの営業しているところもあって、深夜24時始まり
の芝居を観た後に、お腹が空いて眠れそうにないときなど重宝しま
す。インやオフの出演者も多い様子。

− タンチュリエ通り:インとオフの劇場がかたまってあるこの通
りには水路があり、カフェやブティックが軒を並べています。たぶ
んサンドイッチやサラダなどを出しているレストランもあるはずで
す。フランスのサラダは日本の付け合わせ程度のサラダと全く違っ
て、パンも必ずついてくるのでちゃんとした食事になります。イン
の作品を二本観るその間の時間で、近くの小さなレストランに入り
ました。「スペシャル・メニュー、フェスティヴァル・サラダ」。
頼めばすぐに出てきて、野菜だけでなくベーコンやチーズも入って
いて調度いい具合でした。

 もっとおいしいサラダは、レピュブリック通りの真ん中あたり、
駅を背に上手側にかわいいサラダ専門のレストランで、ここのメニ
ューは英文もついているし、量は思いっきりあって、お薦めレスト
ランのひとつです。

− 演劇祭ならではといえるレストラン:オフの劇場のコリブリに
は、屋台のようなカフェもあり、晴れていれば城壁の下にレストラ
ンもあります。関係者レストランってところかしら。

 これもオフの劇場エスカリエ・デ・ドームには、飲み物のカウン
ターがあり、テーブルが置いてあって、フランス人のカップルが自
分たちで持ってきたパンを切り、オリーブやハムをはさんでお昼ご
はんにしていたのを見かけました。南仏の太陽の下、なんとなく素
敵でした。

 という、実用的なのかどうか、このレストラン・ガイドが、多少
なりとも参考になれば…  

[山田ひろみ]
 

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