長崎電気軌道168号のブリル27GE台車。

1978-3-2 浦上車庫 

「ブリル」と「ボールドウィン」はわが国の旧形電車を代表する輸入台車である。前者は、いかにも「組み立てた」感じのスタイル。後者は、優雅な「弓形イコライザ(ツリアイ梁)」を持つ。しかし乗り心地は、「ブリル」が圧倒的に優っているようだ。状況によっては、現代の台車と比べても遜色ない乗り心地であることを確認している。又、多くの先輩諸氏の文献からもそれが伺える。

ここでお目にかける「ブリル」は、私の知る限り走行可能な最古のものである。西鉄福岡市内線から長崎に転じてきた木造車168は1911年(明治44)川崎造船所製。外板等もほぼ原型を保った貴重な車である。この車体を支える足回りも、ホイールベースが短かく、構造もシンプルな貴重な「ブリル」である。一見、雑なつくりだが軸バネが非常に柔らかそう。路面区間での乗り心地は大変よいのではないだろうか。


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