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詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.42 本間晨一さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
二枚飛のパズル 60手台

パズル展示室No.42 本間晨一

8段目に歩を打て、取れば9段目の飛で王手できる形。 例えば、28歩、同玉、29飛打、37玉、38歩、同玉、39飛といった手順が浮かびます。

考え方としては、2枚の飛に挟まれると詰みやすいので、可能なら左辺の方に最大限逃げたいわけです。 そう考えると、8段目の歩を取らずに逃げるのは、29飛、39飛と順に寄せていく手順より短くなるので、 8段目の歩はなるべく取った方がいいことになります。 その方針で進めてみましょう。

  28歩、同玉、29飛打、37玉、
  38歩、同玉、39飛、47玉、
  48歩、同玉、49飛、57玉、
  58歩、同玉、59飛、68玉、
  69飛、77玉、

さて、この辺からは左辺で詰まされないように逃げなければんりません。 具体的には、78歩、同玉、79飛、87玉となると、78金、97玉、98歩、同玉、99飛まで詰んでしまうので、78歩には87玉と逃げます。 次の88歩も同玉と取ると、89飛で、もう97玉とは行けなくなります(98歩〜99歩〜98金で詰み)。 そこで、78歩、88歩とたたいて、両方取らずに97玉と逃げるのが最長になるわけですね。

  78歩、87玉、88歩、97玉

ここで98歩とたたくと、同玉なら99歩、88玉、89金で簡単なので88玉とせざるを得ず、89飛、78玉とようやく2枚の飛で挟むことに成功。 ところが、これが1歩不足でわずかに詰みません。 実は98歩をたたかなくても、すぐ99飛とすれば、98合は同飛、同玉、99歩以下なので99飛には88玉とするしかなく、 89飛左、78玉で、さっきより1歩多くなり、これが正解です。

  99飛、88玉、89飛左、78玉、

2枚の飛で挟んだまま狭めていければよいのですが、また左辺に戻られてもいけないので注意が必要です。 79飛左には左辺に逃げれば詰むのが先ほどの変化でわかってるので67玉の一手。 しかし、68歩、同玉、69飛左とすると77玉で、この局面は歩が減っただけで18手目と同じで失敗。 そこで、79飛は固定にしておいて、右の飛を活用して追い詰めます。

  79飛左、67玉、68歩、同玉、69飛右、57玉、58歩、同玉、
  59飛、47玉

68歩のとき先に57玉と逃げるのも、58歩、68玉、69飛右、58玉、59飛で以下同じ(変同)。
更に歩打、同玉、飛の王手のサイクルが続きそうですが、48歩を同玉だと49飛で左右どちらに逃げても48金で追い詰められてしまいます。 そこで48歩には37玉と逃げますが、次の38歩も、すぐ同玉、39飛、48玉とするより、 27玉、28歩、同玉、29飛、38玉、39飛、48玉の方が4手長く歩も使わせているので、こちらが正解です。

  48歩、37玉、38歩、27玉、28歩、同玉、29飛、38玉、
  39飛右、48玉、

これでやっと49飛右から48金が実現して、収束に向かいます。

  49飛右、37(38)玉、48金、27玉、28歩、同玉、29飛、17玉、
  18歩、同玉、

28歩に同玉のところは、17玉、18歩、28玉でもOKです(変同)。

  19飛、27玉、28歩、同玉、29飛左 まで61手、

作者 「二枚飛車の追い回しによる最長手順探しです。 歩打ちに対して、同玉と取るのか取らずにかわすのか、の選択が多数あります。 また詰手順中、二枚の飛のうちどちらの飛で追うのか、の選択もあります。 多くの変化・紛れがあるので、迷路にはまるかもしれません。 初形図および詰上り図は、共に見た目にすっきりしていると思います。 詰手順の途中に非限定の変同が2か所あります。 比較的すぐに本手順に合流する変同ですが、気にされる方もおられるかと思います。」

2枚飛で狭めていくパズルでした。
最初の投稿図では、悩みそうな変同があったので、改善していただいたのが本図です。 それでも歩のたたきを取るか逃げるか読みが必要なので、ややこしいですね。

それでは、みなさんの感想を。

蛇塚の坂本さん:
歩を玉が取るか逃げるかの駆引き金を何処で使うかの問題が微妙で面白い!
山下誠さん:
なけなしの金をどこで使うかを常に考えながら手を進めた。
松崎一郎さん:
ポツンと68歩、よ〜く考えた。 1歩は大事大事。

29飛左まで63手解。 数え間違い?ということで正解扱い。

おかもとさん:
ややこしややこし、その2。
小山邦明さん:
2枚飛車は強力という作品。 2手目同玉の局面から最後は還元玉。
池田俊哉さん:
正しく「パズル作品」そのものと言って良い作品かと
歩をなるべく使わせて端まで追うが、行き過ぎずに折り返す、と分かってはいるが、やっぱり何回か試行錯誤してしまう、 こちらも前作と同じく手数表示が良いヒント
占魚亭さん:
W還元飛。 歩を取る場合と取らない場合の見極めが大事。

3手目29飛と打った時、48金があればこれで詰みと想像した人はいるかな。

inokosatoshiさん:
金を打つタイミングに苦労しました。
S.Kimuraさん:
変化がたくさんあって理解するのが難しかったです.

パズル展示室No.42 解答:9名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  小山邦明さん  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん  松崎一郎さん
  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。