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詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.41 本間晨一さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
趣向のちパズル 40手台

パズル展示室No.41 本間晨一

金と香がきれいに横に並んだ初形を見て、くるくる展示室No.462のやよいさんの作品を思い出した方も多いのではないでしょうか。

やよい作では、77金左、64玉、65金、同玉、67金左、54玉、55金、同玉、56金、44玉、45金、同玉 と、金を捨てながら横に送る楽しい趣向で、最後は4枚目の金も同じように捨てて収束します。

これを4枚連続で捨て、更に飛龍追いのパズルに仕立て上げたのが本作です。

作者 「やよいさんの作品(くるくる展示室No.462)を鑑賞していて、金の二段活用で3金の連続捨てを4金の連続捨てにできないかと工夫したのが本作です。 この作品はくるくるとパズルを組み合わせたような構成になっています。 前半部は金の二段活用による4金連続捨てのくるくる手順で楽しめると思います。 ただし、玉の変化と歩打ちの紛れに、多少惑わされるかもしれません。 後半部は、飛・龍と持駒6歩による最長手順探しのパズルですが、手順は一部を除きかなり規則的でそれほど複雑ではないと思います。」

ということで「趣向のちパズル」なのですが、実は前半の趣向部分からパズルは始まっていました。
やよい作は持駒に銀があったので、趣向部分の玉の逃げ方は簡明でした。 ところが、本作では持駒は歩がたくさんあるだけ。 2枚目の金からは玉がすぐに斜めに逃げずまっすぐ引くと歩を打つことになりますが、この歩が残ることで後半のパズル手順が微妙に変わります。
結論としては、斜めに逃げるのが作意で、歩が残っていると早い順があります。 しかし、この順には変化別詰も多く、その解答も多くいました(展示室では変別は正解扱いです)。
それではこのことを踏まえて、実際に手順を見ていきましょう。

  77金左、65玉、66金、同玉、
  67金左、55玉、56金、同玉、
  57金左、45玉、46金、同玉、
  47金、35玉、36金、同玉、

で65玉とすると、66歩、55玉、56金、同玉と進み、作意順に比べて66歩が残ります。 同様にで55玉だと56歩が、 で45玉だと46歩が残ります。 これらの歩があるかないかで、これからの手順がどう変わるのでしょうか。
実はで65玉に66金以下、 で55玉に56金以下、 で45玉に46金以下でも作意より短手数で詰む順があります。 こちらの順は上記の棋譜でごらんください。

  38龍、25玉、26歩、15玉、16歩、同玉、18龍、26玉、

38龍に45玉は46歩、56歩、66歩とたたいて、どう変化しても作意より早いので、いったん右端の方に逃げます。

  17龍、25玉、26歩、35玉、36歩、同玉、37龍、45玉、
  46歩、55玉、56歩、同玉、57龍、65玉、66歩、76玉、
  77飛(77龍、67龍) まで41手

66歩が残っていた場合、57龍の時点で詰み。 56歩が残っていた場合は17龍、25玉では27飛で簡単なのですぐ35玉と逃げることになり2手早い。 46歩が残っていた場合、37龍に45玉と行けず25玉となり早い。 ということで、イロハはすべて斜めに逃げるのが最長になるわけです。

金捨て送りの趣向のあと飛龍と持駒のたくさんの歩で追い詰めるパズル。 きれいな初形ににあわず変化が多く、最長手順を探すのに苦労する作品でした。

それでは、みなさんの感想を。

蛇塚の坂本さん:
龍を世に出す為の金と歩利用と生飛と龍の連係面白い。

イロハすべてまっすぐ引いて57龍まで41手解。 歩打ちで6手稼ぐと作意と同手数になるのですが、歩を打たずに金を捨てる39手順があるので、変別解になります。

山下誠さん:
玉の逃げ方がややこしい。 最後は還元玉できれいな詰め上がり。
松崎一郎さん:
17歩様様。

蛇塚の坂本さんと同様、57龍まで41手解。

おかもとさん:
ややこしややこし、その1。
小山邦明さん:
龍の横利きを生かすための金の消去手順が面白い。
池田俊哉さん:
金を二段階使って玉を一筋方面に移動する。 玉がまっすぐ下がると6段目に歩が残って早く詰むという構成もうまい
38龍としてからは最長手順探しになるが、歩が一枚ずつ鋸って還元玉と言うのもキレイ、手数表示も良いヒントとなった
75歩を攻方85歩として持ち歩を一枚増やすと2手伸びる?

更にややこしくなるような。 2手目の変化が同手数?

占魚亭さん:
軽趣向味が強くて楽しかったです。
inokosatoshiさん:
まさに詰将棋を解いたというより、パズルを解いたという感じ。
S.Kimuraさん:
なぜ1マスおきに歩を打つのか理解できませんでした.

66歩と46歩を残して、37龍まで43手の変別解。 柿木将棋 for iPadはこの順を解答するとのことです。


パズル展示室No.41 解答:10名 全員正解

  池田俊哉さん  inokosatoshiさん  S.Kimuraさん  おかもとさん
  川石隆志さん  小山邦明さん  占魚亭さん  蛇塚の坂本さん
  松崎一郎さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。