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詰将棋おもちゃ箱パズル詰将棋
パズル展示室 No.32 山田淳さん
パズル詰将棋
パズル詰将棋
棋譜ファイル(柿木将棋kif形式)
出題時のコメント:
30手台。パズル詰将棋ではパズル的な作品を出題

パズル展示室No.32 山田淳 パズルにもいろいろなタイプがあるので、「パズル的な作品」といっても人によりイメージが違うかもしれません。 これまでの出題作品を見ると、いろいろな追い方が可能なんだけど、元に戻ってしまったり、際どく詰まなかったりで、さて正解は、という感じの作品が多いようです。

山田淳さんは前回登場は2013年6月のパズル展示室No.20
「コロナの影響で自宅にこもることが多くなったことがきっかけで、久方ぶりに創作を再開しました。」
とのことで、8年ぶりの登場です。 さて、今回の作品は。

作者「2枚の角の利きを頼りに持駒を使ってと金の待ち構える左辺に玉を追い込んでいきます。 持駒を節約して追い込む必要がありますが、必要なところでけちると逃げられてしまいます。」

単に銀を打っていくだけでは10枚ぐらい要りそう。 銀4歩の持駒で、どう節約して追いかけるか。

14銀、24玉、25銀、35玉、36銀と銀を引いていけばここだけで2枚節約節約できて、 更に44玉、45銀、55玉と進めば、銀1枚で右半分をすませたことになるので、 56銀打、64玉、65銀、73玉、74銀と2枚目の銀で追撃すればこれは詰みそうです。

そこで受方は14銀、24玉、25銀のとき33玉と下がって持駒の銀を使わせようとします。 34銀打、44玉、45銀、55玉、56銀と引けば先ほどと同じように見えますが、44玉と戻られると際どく詰みません。

ここで、更に銀を節約する妙手がありました。 34銀打ではなく、単に34銀と出るのです。 これは同玉なら45銀打でもう左側には行けなくなるので以下詰み。 44玉なら45銀と引けば最初の変化と同じ形になるので詰みというわけです。 そこで受方は、34銀に対して24玉と戻って抵抗します。

  14銀、24玉、25銀、33玉34銀24玉

25銀引では33玉で千日手ですし、25銀打とここで2枚目の銀を投入しては銀が足りなくなります。 34銀が浮いているところで指しにくいですが、ここで25歩が好手。 34玉と銀を取っては45銀と押さえて簡単。 35玉と逃げる一手で、ここで36銀と2枚の銀を投入し、44玉、45銀、55玉、56銀と追いかけます。

  25歩、35玉、36銀、44玉、45銀、55玉、56銀、64玉、

56銀に44玉もありそう。 これは45銀引、53玉、54銀、64玉、65銀上と追えばまだ銀2枚あるので、捕まります(29手)。 64玉には65銀で、73玉には72角成があるので75玉。 ここでも76銀と引いて節約したくなりますが、64玉と戻られると千日手コース。 思い切って76銀打と3枚目の銀を投入するのが正解です。

  65銀、75玉、76銀打、84玉、

続いて85銀打とすると93玉で失敗。 ここで65銀がなければ47角の利きが通ることに気が付けるかどうか。 そう、なんと65銀がジャマ駒になっていたのです。 それが分かればどうすれば消せるか考えれば解決します。

  85銀、同玉、76銀、95玉、96銀、84玉、85銀左、73(93)玉、
  83角成、同玉、72角成、93玉、82馬 まで31手

83角成に64玉は、65馬、53玉、54馬まで(73玉、74馬(72角成)まで)。 同手数で、これも正解です。

銀の節約をテーマにしたパズルで、見ごたえのある攻防が楽しめる作品でした。

それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。

小山邦明さん:
5手目の34銀の手がなかなか思いつかず、銀をぐるぐると動かす手順をずっと考えてしまいました。 27手目の角切りも気持ちの良い好手でした。
占魚亭さん:
面白く楽しい銀繰り。
山下誠さん:
銀ばかりの攻めは逃げ方がやっかいで頭が混乱する。
小林巧さん:
34の銀は取れない銀なんですね。 あと17手目の76銀打も、その後の展開をみると普通に76銀と引いても同じかな? と思ったら64玉と戻られて 結局、詰みはするものの35手。 結構、悩みました。

戻られると、結局65銀とするしかなくて千日手コース。

池田俊哉さん:
二枚の角筋に銀を打って移動させていくのはすぐわかるが、紐なしの34銀が思い切った手で、 それを取らずに周囲を玉が回るのが面白い。 角を一枚減らせたのも良い
S.Kimuraさん:
5手目が思い浮かばず,駒不足に悩まされました.

みなさん5手目の34銀に言及。 本作一番の山場でした。


パズル展示室No.32 解答:6名 全員正解

  池田俊哉さん  S.Kimuraさん  小山邦明さん  小林巧さん
  占魚亭さん  山下誠さん

当選者は、全題の解答発表のあと、展示室で発表します。