いつもくるくる展示室で楽しい趣向詰を見せてくれるやよいさん。
パズル的な作品もお得意で、本作がパズル展示室で8回目の作品になります。
二枚飛車のパズルはこれまでにもたくさん作られていますが、本作は下側が直接の壁ではなく、1段空いて金の利きがあるのが特徴です。 持駒に1枚だけある歩をいつたたくのがキーになりそうですね。
6筋と1筋には歩が打てないのも要注意です。
飛の王手に対してはいつも左右の逃げ方があるので、読むのが大変。
本作では更に斜めに逃げる順もありますが、57と37に金が上がれるので、これはそれほど気にする必要はなさそうです。
考え方として、詰め方は2枚の飛でなるべく狭く挟みたいので、受方は可能な限り外側に逃げるのが手数を長くすることになります。
そして、まず作意らしい順を見つければ、途中の変化は似たような順で早く詰むことが多いので考えやすいわけです。
まずは右の方に移動。 1筋には歩が利かないので、ぎりぎりまで逃げて大丈夫です。
74飛、65玉、64飛、55玉、54飛、45玉、44飛、35玉、
34飛、25玉、24飛、15玉、14飛、25玉、
今度は左の飛で左側に追います。
24飛左、35玉、34飛、45玉、44飛、55玉、54飛、65玉、
64飛、75玉、74飛、85玉、84飛、75玉、
9筋には歩が立つので、95まで逃げると96歩でアウト。
75に戻るしかなく、最初と同じような形になりますが、94の飛を84に寄せることに成功しました。
そこで、また右の飛を使って右側に追います。
ところが、さっきと同様に15玉まで追って折り返しても、左側の飛を動かしてしまうと94飛を84に寄せた意味がなくなってしまうので、これは千日手。
つまり、右に追う途中で何か手を作らなければなりません。
といっても歩を打つしかありません。
6筋には打てないので5筋から3筋のどこか。
正解は5筋の歩打でした。
45玉は85飛があって簡単なので取る一手で、金を上げることができます。
74飛右、65玉、64飛、55玉、56歩、同玉、57金左、45玉、
ここからの変化は全部読むしかなさそう。
まず、57金左に55玉は66金、46玉(45玉は85飛)、37金右、35玉、34飛以下47手。
そこで45玉ですが、44飛とされると35玉には46金があるので、55玉と戻らざるを得ません。
44飛、55玉、54飛右、65玉、64飛右、55玉、66金、46玉、
66金と上がって左側の封鎖に成功。
あと、もう一息です。
最初の一往復を省略してこの順に入ると、64飛右に75玉と逃げられて不詰。
ここに94飛を84に寄せた効果がでているわけです。
37金右、35玉、34飛、25玉、24飛、35玉、34飛左、45玉、
36金 まで53手
作者 「作例が多くて今さらですが、2枚飛車のパズルです。
手数の割に駒数少なくまとまったと思います。
(19歩はともかく)69歩は、持歩をどの筋に打つかの選択肢を狭めてしまう配置で、パズルとしては減点対象かも知れません。」
二枚飛車のパズルは変化読みが大変なので、69歩はヒント代わりでよかったかも。
いつ歩を打つかドキドキする、おもしろいパズルでした。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 山下誠さん:
- 単純な横追いに見えて、金を繰出すタイミングはよく練られています。
- 波多野賢太郎さん:
- 玉と飛車の追いかけっこは予想していましたが、変化手順を読みきるのがなかなか大変で苦労しました。金四枚と歩の配置が絶妙だなと思いました。
- 隅の老人Bさん:
- 変化読みが面倒で意外と解き難い。
一手指しては、王の逃げ方(右OR左)を決める。
どの局面で持駒の歩を打つかも難しい。
パズル展に出題、納得の1局。
- S.Kimuraさん:
- 金を前に出すために,2枚の飛車を左右に動かす様子が面白かったです.
- 池田俊哉さん:
- 変化とばしで一往復したが55玉まで戻して、持駒をなくす56歩が打ちづらい。
最長手順探しがあっているかどうか...
大丈夫、正解です。
- 占魚亭さん:
- 歩を打つタイミングが重要。金が上がって、一気に狭くなった。
- 小山邦明さん:
- 飛と玉をずっと左右に動かし続けてしまいそう。
3回まではOKですヨ (^^;
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