冬眠から覚めて本格的に活躍し始めた大崎さん。
本作は、2枚の角が睨んでいる形で、飛車とと金をいろいろ動かせます。
しかし、やみくもに動かしてもなかなかうまくいきません。
飛車とと金の入れ替えパズル。
その論理はどうなっているのか、作者に解説をお願いしました。
解説 大崎壮太郎(作者)
いきなりネタバレをすると、54の歩が攻方の持駒にあれば56飛、47玉、55飛、36玉、63角成以下詰みます。
そこで初手から56飛、47玉、54飛と歩を取ってみますが、これでは36玉、63角成に35玉と逃げられてつかまりません。
左右対称に近い形をしているので、54の歩は盤の反対側で取るのが良さそうだとわかります。
つまり56飛、67玉の形で54飛。
まずはその形を目指します。
56飛、47玉、26飛、57玉、
56と、67玉、55と、57玉、
56飛、67玉、
つつがなく56飛、67玉の形になりましたが、今度は55とが邪魔で54飛とできません。そこでこのと金を動かします。
86飛、57玉、
56と、67玉、46と、57玉、
56飛、67玉、
ようやく歩が取れる形になりました。
54飛、76玉、
56飛、67玉、
ここから55飛、76玉、43角成で初めに描いていた収束の左右反転に入ろうとするのは86玉で全然詰みません。
初めの形に戻す必要があります。普通の作家はこう作るところでしょう。私も普通の作家なのでそうしました。
86飛、57玉、
56と、67玉、55と、57玉、
56飛、67玉、46飛、57玉、
56と、67玉、66と、57玉、
56飛、47玉、
54歩を取って初めに戻ってきたので、ようやく55飛と指すことができます。
55飛、36玉、63角成、46玉、
47歩、同玉、56角、57玉、83角成、66玉、
65馬、67玉、45馬 まで51手
- 波多野賢太郎さん:
- 飛車の位置を変えることができるのはすぐわかりましたが、だからどうなのという感じで悩みました。5四の歩が取れるんですね。知恵の輪を解いてるようで面白かったです。
- 占魚亭さん:
- 飛車の動きもいいですが、と金の動きの方が味があって好きです。
- S.Kimuraさん:
- 柿木将棋に解いてもらいましたが,手順の意味がよく分かりませんでした.
解説を楽しみにしています.
お分かりいただけましたでしょうか。
と金と飛車をくるくるやってるうちに、いつのまにか詰んでるような作品でした。
- 隅の老人Bさん:
- 合駒が出来ないのに、この王がなかなか捕まらない。
気分はイライラ、最終図は?
飛とと金の位置を取り替えて、54歩を取ったのが勝因かな。
でも、これから先も長かった。
駒の入れ替えパズルの傑作です。
- Pathfinderさん:
- 銀と角を入れ替えるパズルは有名ですが、金(と)と飛車を入れ替えるパズルは斬新ですね。
創作の動機はご指摘の通り角銀の入れ替えパズルです。
あれを飛車と金でやったらどうなるか、というところで安易に後手持駒制限を使ったのが妥協作家の面目躍如です。
- 金少桂さん:
- 54歩奪取のために『と金』と飛と玉が右往左往。飛移動の邪魔にならないように一旦と金が55地点に退くあたりのやりくりが面白い。
47玉と67玉の非限定(変同)はあまり気にならないが、収束も変同があるように思われるので、そちらはちょっと気になる(変別解になってたらすみません)。
- 池田俊哉さん:
- 54歩を取って55飛の位置に動かすために「と」と飛の位置を変えるパズル。
ではあるが、ところどころ逃げ方がはっきりしないようなところがあり(どう逃げても同じ局面になる)はっきりしない感じがある
- 小山邦明さん:
- 玉の逃げ方に悩まされての解答です
ご指摘の通り変同だらけです。
飛車の開き王手位置の非限定を無くすために16歩と96歩を置いたものの、ここまで非限定があるなら今更のケアだったかもしれません。
TETSU: 収束も変化同手数があるため、45馬、56馬、または65馬まで51手の3通りを正解としました。
- 山下誠さん:
- 左右から交互に砲撃。インベーダーゲームの面白さでした。
初形UFOに見えるといいなと思っていたので嬉しい短評でした。
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