歩に挟まれた初形に飛車2枚というと、塚田正夫名誉十段の名作(くるくるNo.46)を思い出しますが、本作では飛車が2枚とも最初から配置されているので一筋縄ではいきません。 その分角が2枚配置されていて、この角をどのように活用するのか、そのためどの歩をいつ突くのかがキーになります。
飛の王手に左右両方の逃げ方があるので、ちょっとやっかい。
二枚の飛で一間または二間で玉を挟めば歩を突いて詰みですから、この形は読みを省略できます。
ということは、56飛に45玉、46飛に35玉は必然。 そして次の36飛に対しては25玉、45玉、両方考える必要があります。
1) 25玉の場合
26飛、35玉、36飛右、45玉、46飛、55玉、56飛、65玉、
そして66飛に55玉と75玉。
a) 55玉、56歩、45玉、46飛、35玉、36飛、25玉、26飛、35玉、
57角、45玉、46歩、35玉、36歩まで29手
b) 75玉、76飛、65玉(85玉は86飛、75玉、56歩以下)、
66歩、55玉、56飛、45玉、46飛、35玉、36飛、25玉
(45玉は57角以下)、26飛、35玉、36歩、45玉、67角、55玉、
37角まで33手
2) 45玉の場合
46飛左、55玉、56飛、65玉、66飛、75玉、76飛以下、
右の飛車の位置が違いますが1のbと同じ手順で詰み(29手)
ということで、角を2枚とも活用する1のbの順が最長で正解でした。
56飛、45玉、46飛、35玉、36飛、25玉、26飛、35玉、
36飛右、45玉、46飛、55玉、56飛、65玉、66飛、75玉、76飛、65玉、
66歩、55玉、
56飛、45玉、46飛、35玉、36飛、25玉、26飛、35玉、
36歩、45玉、57角、55玉、37角 まで33手
飛追いで1往復半の流れるような趣向、そして2枚角での収束で還元玉の都詰。 この詰上り、はみでていた角が7段目に入って、初形におとらぬ美しさ。
この形の決定版として歴史に残る作品だと思います。
- 作者:
- 2枚の角を活用するために歩をどのタイミングで突くかがポイントです。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 使用駒や初形が良いですね。
初形も詰上りも大駒4枚と歩18枚、しかも成駒なし。 盤面大駒と歩だけというのは何か名前がほしいですね。
- キリギリスさん:
- 生の飛角と歩なのでスルスルと逃げられて難しかったです。
- やまかんさん:
- ややこしかったが、収束で(変化でも)覗く2枚の角がとても気持ちいい。うまく出来すぎですね。
- 太刀岡甫さん:
- 無解です。もう少しで解けそうなのですが……残念。
- 長谷川琴さん:
- これは、ややこしい!暗算では出来ませんでした。
それと、前の問題と歩の並びが同じと思い最終手を間違うところでした。
- しまぎろうさん:
- 大変苦戦しました。正にパズル!
- 名無し名人さん:
- 今月の最難問。歩突きのタイミングに悩みました。
- やぶいりさん:
- 試行錯誤の末やっと両角が世に出て詰みました。終図を見れば飛車は歩の守り駒。。
- きたさん:
- ここから急に難かしくなりました。これは好作。2枚の角が動いて詰め上がるところがいいです。
- 池田俊哉さん:
- 角は利きを作るだけと思っていたら、変化では空き王手、作意では覗きと大活躍
初形、詰めあがりとも素晴らしく現代の古典として残りそう
- 占魚亭さん:
- 突歩詰に拘って苦戦。
- 隅の老人Bさん:
- 右or左? That is the question。
何処で歩を突くかも問題ですね。
- S.Kimuraさん:
- 2枚の角の使い方が分からず,かなり悩みました
- 小林巧さん:
- 堀半七作品がエレベーターならば、これはさしづめ動く舗道といったところか。角の覗き具合が可愛らしい。
- 名城健太郎さん:
- 難しかったです。
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